米国で銃を買うには!?【最新GUN事情・前編】

 

毛野ブースカがアメリカ在住のリアルガンレポーターのSHIN に、ガンやタクティクスに関する疑問、質問を聞いてみようというコーナー。今回のテーマはアメリカにおける銃の買い方と銃事情。銃が身近なものであるアメリカという銃大国においての銃の買い方と銃事情の最新事情を語ってもらった。

 

 

【毛野】
 

米国では銃の所持の仕方や貸し借りのルールはどうなっているのでしょう?

【SHIN】

まず銃所持に関する考え方ですが、日本を含む多くの国において民間人の銃の所持の権利は基本的に認められていないので、特別な「許可」を取る必要がありますよね。しかし米国では民間人の銃の所持は基本的人権と共に認められた「権利」なので、基本的に政府は規制してはならないんです。この考え方の違いは、米国建国に由来しています。

【毛野】
 

銃の所持が権利と言うのはアメリカらしいですね。

【SHIN】

信仰、言論、出版、集会の自由、軍隊が個人の財産を接収する事の制限、不法な逮捕の禁止、財産権の保障、人権保障、残酷で異常な刑罰の禁止等が米国合衆国憲法には含まれています。これらの権利を保障し、守るために「人民が武装する権利」も憲法に含まれています。

【毛野】
 

政府が人民の権利を侵害しないように銃所持のルールが決められているのですね。

【SHIN】

そうです。銃所持の規制は非常に複雑なルールになるので、ざっくりと説明しますね。米国連邦政府(フェデラル)による米国全土共通の法律、そして各州政府(ステイト)が定める州ごとの法律、そしてカウンティ(郡)ごとに定めるいわゆるローカルルールがあります。

【毛野】
 

やはり米国連邦政府の法律が一番強いのですよね。

【SHIN】

実はそうとも限らないんです。州やそれぞれの国として独立し州が集まって連邦を形成しています。これがアメリカ合衆国の由来ですね。なので連邦法によって規制されていても、州法によって合法化されていれば州法が優先されることもあるんです。これも政府が人民の権利を侵害しようとした際に州、郡ごとに人民の権利を守るための配慮です。

 

毎年ラスベガスで行なわれる銃器展示会「ショットショー」には100 カ国以上から6 万人以上が参加する。民間人が所持する銃器の数は米国がケタ違いに多い。

 

【毛野】
 

ガンショップで購入する際にはどのような手続きが必要なのですか?

【SHIN】

ガンショップに行って銃を選び、支払いをしたら、銃器引き渡し書の記入を行ないます。この書類はBATFE(米国火器タバコ取締局)の書類なので虚偽の内容の記入は罰則が設けられています。記入者が銃を所持する本人であるのか、重犯罪者であるか、指名手配中であるか、などの設問に答える必要があります。

【毛野】
 

当然所持できない誰かのために買うのも禁止されているのですね。これらはBATFEによって記録されるのでしょうか?

【SHIN】

銃器引き渡し書に記入した内容はBATFEつまり連邦政府には伝わりません。記入後、簡単な身元調査がオンラインで行なわれます。これは単純に前科があるか、指名手配中であるかを確認するだけで10分程度で終わります。さらに身元確認のために政府機関に提出された内容は3カ月以内に破棄しなければなりません。誰が銃を買ったかを政府が把握していてはならないのです。

【毛野】
 

これも「人民が武装する権利」への配慮なのですね。

【SHIN】

ですが、銃器引き渡し書は購入したFFLの元に保管され、犯罪捜査の目的で令状を持った捜査官が来た場合にのみ閲覧が許されます。ここまでが連邦法で定められたディーラーでの銃器の購入手続きですが、銃規制の厳しい州では独自の登録制度を設けていたり、1カ月間に買える挺数を規制していたりもしています。

【毛野】
 

なるほど、ここに銃規制の厳しい州と厳しくない州の差が出てくるのですね。

【SHIN】

そうなります。例えばカリフォルニア州ではアサルトライフルタイプの銃の新規購入は禁止、独自の安全基準を満たしたハンドガンのみの販売許可、マガジンの装弾数は10発以下、ハンドガンは1カ月に1挺のみ購入が可能等、細かな規制を試行しています。

 

銃器引き渡し書。住所や名前、身体的特徴などの記入の他に、重犯罪歴があるか、指名手配ではないか、購入する本人かなどの質問が並んでいる。さらに、外国人であるか、外国人であるなら銃が所持できる例外に適合するかの設問もある。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

いかに銃器大国のアメリカといえど、合法的に銃を所持する場合には数々の手続きが存在する。銃を所持するという権利を保障するだけでなく、適切な管理下に置かれることによって非合法な使用を制限するためであろう。しかし、銃器を護身用として身につけるのは、社会にとってもリスクにはならないのだろうか?次回の後編ではコンシールドキャリーの実際に迫る!

 

 

Text:毛野ブースカ

Text&Photo:Shin

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.144-147より抜粋・再編集したものです。

 

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