更新情報 | |
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2022.05.19 | コラム「段位戦の考え方」を公開しました |
2022.05.19 | 推薦コメントを追加しました |
2022.04.29 | 『新 科学する麻雀』と『新 科学する麻雀 実戦問題集』の電子書籍が発売されました |
2022.04.03 | ダウンロード素材に店頭用POP(A3サイズ、ハガキサイズ)を追加しました |
2022.03.31 | 『新 科学する麻雀 実戦問題集』本日発売! |
2022.03.25 | 『新 科学する麻雀 実戦問題集』の書影、ページサンプルを公開しました |
2021.10.29 | データの「誤り」に関する調査結果を公開しました |
2021.10.20 | ダウンロード素材に店頭用POP(A4サイズ)を追加しました | 2021.10.15 | ダウンロード素材に店頭用POP(ハガキサイズ、B5サイズ)を追加しました |
2021.10.14 | 推薦コメントを追加しました |
2021.10.04 | 推薦コメントを追加しました |
2021.10.02 | オンライン対戦麻雀『天鳳』にて、「新 科学する麻雀 発売記念イベント」開催! |
2021.10.01 | 『新 科学する麻雀』本日発売! |
私が麻雀を本格的に再開したとツイートしたときに、複数のツイッターのフォロワーさんからこれを読んだほうがいいと紹介されのが『科学する麻雀』でした。その後、私もなかなか麻雀をする時間がなくて感覚的に積み上げる時間がない中、プロ試験を通るのに、この本がどれだけ役立ったことか。
麻雀はこれまで職人芸の世界だったのが、とつさんはこれをデータベースにまとめ、統計値を導き出し、天気予報レベルまでに発展させました。これまで、雲の流れとかで判断していた天気予報に、急に衛星が導入されたようなものです。
もちろん、データや統計だけで勝ち続けられるほど麻雀は甘いものではないのですが、それでも、例えば仕事においてPOSデータをもってマーケティングをする人と、自分の勘や経験だけでマーケティングをする人では、当たりハズレの確率に大きく差があるように、特にとつさんの麻雀論は、だいたいルールはわかるけれども、これから強くなりたい人たちへの大いなる味方になると思います。
そして、『新 科学する麻雀』では新しいデータから漠然と言われていた仮説であったり、あるいはベテランでさえ勘違いしていたようなことがどんどん顕になってきています。
ぜひとも、グーグル検索のように便利な科学麻雀論、傍らにおいていつでも参照できるようにしておいてください。
――勝間和代(経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授)
ぼくは麻雀ができる。だけど、麻雀研究をさせたら、とつげき東北さんの独壇場。早く学びたい。
――小林 剛(Mリーグ U-NEXT Pirates所属/麻将連合-μ-)
『科学する麻雀』の登場により麻雀の常識は大きく変わりました。この常識の変化により最近の統計データも大きく変わっているかどうか気になるところですよね。『新 科学する麻雀』では気になるデータの重要なポイントが分かりやすく書いてあり、自分では調べる事ができない興味深いデータもてんこ盛りでした。データを重視する現代麻雀の打ち手が必読の一冊となってます。
――石橋伸洋(Mリーグ U-NEXT Pirates所属/最高位戦日本プロ麻雀協会)
凸さん「新・科学する麻雀」の出版おめでとうございます。
バーチャル麻雀パンダうるりこと10代目天鳳位ウルトラ立直です。凸さんにはいつもパンダさん、うるりさん、このパンダが! などと呼ばれていますが僕が描いたTwitterのヘッダーイラストをずっと使ってくれているのは知っています、ありがたい…。今回はおめでとうイラストの依頼でしょうか…え? ちがう? 出版する本の書評? 任せといてください。
凸さんが初めて麻雀を数理的題材として取り扱ったことでその後の麻雀界に…というような話は置いといて『新 科学する麻雀』出版は1人の麻雀プレイヤーとしてワクワクしています。15年以上経って続編が出るとか映画なんかだと半分怖かったりしますが『新 科学する麻雀』の内容を一部見させてもらって早く全内容を見せてくれ! という気持ちになっています。
プレイ中の判断を〇〇だと思うという感想で終えずに一定の数値的根拠を用いて検討していくことができるのは凸さんのような研究者達のおかげです。
特に押し引きやリーチ判断に関しては単にパズル的な要素以外の数値的な判断が重要になってくるので対親、対2件リーチなど細かく把握できることにありがたさを感じます。
今回出版される本の内容を普段のプレイングに活かして更に上を目指していきたいと思います。出版心待ちにしております。
――うるり(10代目天鳳位、ウルトラ立直)
私は、過去5年で10冊以上の麻雀戦術書を執筆していますが、その私の本を含め多くの麻雀本は「すでに強者の間で常識とされていることを、わかりやすく初中級者向けに解説すること」を目的としています。
もちろん、それ自体は価値のあることだと思いますし、誇りを持ってやっています。ただ時折、そんな常識に対して「それって本当なの?」という立場からブレイクスルーをもたらす、アカデミックな本が登場します。17年前に出版された『科学する麻雀』は間違いなくそれであり、今回の『新 科学する麻雀』も、少しデータを見せていただきましたが、「また!」です。
このブレイクスルーによって、私が今まで発信してきた「強者の常識を初中級者向けに解説した戦術論」が過去のものとなり、大幅なアップデートが必要になったらどうしましょう。そのときは凸さんに文句を言って何か美味しいものでも食べさせてもらおうと思います。
――平澤元気(麻雀クリエイター)
『科学する麻雀』は麻雀界に最大級の衝撃を与えた本である。17年も前の本ではあるが、後にも先にもこれ以上の衝撃を与えた本はない。…と、この手の話は他の人がするだろうから、私は全く別の視点から応援メッセージを送りたい。
とつげき東北といえば、強気な物言いで有名だ。非常に毒舌だが、それもまた魅力である。
今回の『新 科学する麻雀』でも、「麻雀界への提言」の章では、強気で毒舌な「とつげき東北節」が満開なことがわかり、心から安心した。
良い意味でも悪い意味でも、麻雀界に刺激や衝撃を与え続けてくれるのは本当に頼もしく、嬉しい。
――G・ウザク(麻雀戦術書著者、ブロガー)
麻雀のような(相手の手の内がわからない)不完全情報ゲームは、運の要素が強いために、ビギナーズラックやハードラックのようなことが起こりがちなゲームである。そのために、従前から強いと言われる伝説の雀士の言葉が金言のように扱われ、科学的ではない迷信が幅を利かせてきた。
そこにメスをいれたのが、とつげき東北さんだ。前作の『科学する麻雀』は統計的手法から様々な格言を疑うところから始めている。本作は、その続編となっていて、統計的手法をベースにしたシミュレーターを用いて科学的に様々な迷信に立ち向かっている。随所に見られる“とつ節”が心地よい。麻雀のAIは近年人間のトップを超えるレベルのものができ始めており、科学的研究は進んでいるが、実践との架け橋になる研究は少ない。本作は、科学的な視点を実践とつなげる架け橋となる一冊である。麻雀をやり込んでいる人はもちろん、これから麻雀を始める人にも参考になるだろう。
――伊藤毅志(ゲーム研究のスペシャリスト・電気通信大学 准教授)
私がこの惑星に辿り着いた時分、麻雀という分野にラプラスの悪魔は住んでいなかった。
突撃東北という人物は悪魔である。通常、嬰から壮丁へ、人は自身の心の声から遠ざかる。
つまり、「王様は裸だ!」と叫ぶのは、どの次元においても子供である必要があるのだ。
運の操作、流れ、内観分析を脱することの出来ぬ者達はハムスターよろしく延々と同じ場所を巡る。
其処へ現れた論理の求道者「突撃東北」。無論、彼は叫んだ「王様は裸だ!」。
ヘーゲル以前超えることのなかった麻雀的コンフリクトをアウフヘーベンすべく梓に上した前作「科学する麻雀」。ハムスター達は周章狼狽、各々に麻雀理論を振りかざすも彼の前では黔驢之技。
求道者突撃の新たなる斧鉞が今ここに!
やあやあ子供の如き純粋なる精神を宿した論理の悪魔よ、存分に瞋恚の剣を揮い、古き価値観を刃糞となしくれ給へ。
――幸田直樹(高IQ団体METIQ代表、高IQ者認定支援機構理事)
『新 科学する麻雀』読了しました。圧巻の情報量。これほど実践的なデータを見易く纏めた書物は他に存在しません。これぞ人類の叡智。麻雀打ちにとって聖書と呼ぶべき一冊です。
――ひろー@麻雀警察(麻雀YouTuber)
ましろが今よりもっともっと仔狸だった頃、友達に誘われてポーカーに挑戦して、あまりの運要素の強さにびっくりして「こんなのゲームじゃない!」「もう二度とやりたくないぽこっ!!」って心の中で誓ってしまった事がありました。(全国のポーカー好きさんごめんなさいぽこ…!)
それが数年経ち、結果として同じように運に勝敗を左右されてしまう『麻雀』というゲームに魅了されているのだから、タヌ生ってわからないものだなってつくづく感じてしまうんですぽこ。
ただ、運に配牌やツモを左右されるゲームだからこそ、麻雀を打つにんげんさんには「科学」が必要なんだと思うんです。
効率的に正しく打っても負けるし、非効率的に打っても勝つならば、どうやって自分の打牌の正しさを推し測るのでしょう。
ましろは、その答えが「数学」であり「科学」なのだと、そう思うんですぽこ。
ましろはまだ麻雀のお勉強を始めて半年程度のひよっこですが、絶対に負けたくない一局に対峙して負ける度に、自分の何が悪かったのかを悩み、ささやかに積み上げた知識と経験を全部否定して手を崩してきました。
ましろごときタヌキでもそうなのだから、もっと永く麻雀を愛し、勝利を追い求めてきたにんげんさんなら、何度も何度も自分の打牌の粗探しをしてきたと思います。
このとつげき東北さんの「科学する麻雀」は、そんなにんげんさんへの救いなのだと思います。
正しい麻雀なんて、もちろん、きっと、存在しないんですぽこ。
でも、もしも、自分を責めるのに疲れてしまったなら、『科学』という『人間の意思が介在しない結果だけの塊』に責任を押し付けて、「ベストは尽くしたからヨシ!!!」と後悔を振り切ってしまえばいいんですぽこ!
旧作の時点でも十分に説得力のあった「科学する麻雀」ですが、この「新・科学する麻雀」では前作から引き継いだ素晴らしいテーマ残しつつも最新データを踏まえてリビルドを行い、レイアウトの見直し+二色刷りもされて格段に読みやすくなっています。
ましろも一部を拝見させていただいただけなので今からとっても楽しみにしています!!
にんげんさんのために書かれた御本でタヌキは勝手に強くなるんですぽこ!
――杜狸ましろ(新人Vtuber)
今回は『新 科学する麻雀』のご出版おめでとうございます。
バーチャルYouTuber鴨神にゅうです。
普段は麻雀戦術の紹介やネット麻雀の実対局の配信を行っています。
旧『科学する麻雀』はもちろん拝読しています!
経験則や一般論、ひいては「流れ」論で語られている書籍に対し、各種数値で説明されている『科学する麻雀』はとても納得しやすい内容でした。
本来確率と計算のゲームであるはずの麻雀に余計な要素を持ち込まない、正確に捉えようとする偉大な一歩目であったと思います。
私は麻雀についてこう考えています。
麻雀における成長とは、勝利条件を達成させるための機械へどこまでも自分を近づけていく道のりであると。
真に優れた一打は無味無臭なものであると。
そして、個性ではなく勝利を追求する打ち手の姿は十分にエンターテイメント足りえると!
令和の「麻雀戦術書」の内容はこの一冊と常に比較される脅威にさらされることになると確信しております。
早く全文を読みたーい!
――鴨神にゅう(麻雀Vtuber)
とつげき東北さん『新 科学する麻雀』出版おめでとうございます。
Vtuberの杵月のあです。
私は、麻雀を打つのは大好きだけど勉強し始めたのは最近、というレベルの雀士です。
麻雀が強かったり本を読むのが得意なわけではないけれど、
私と同じ感覚の方にも読んでもらいたいと思ったので応援コメントさせていただきます。
今回本を読ませていただいて、
「あの時周りの人達が教えてくれたことはこういうことだったのか!」と改めて実感することが出来ました。
データに基づいて再考察することで、より深く理解することが出来たし、表になっていることで、「この場合どれが一番いいんだっけ?」と疑問に思った時に瞬時に戻って把握することが出来るのは大変ありがたい所だなぁと思います。
また、とつげき東北さんのエピソードが載っている所は特に素敵だなと思いました。
内容を理解しようと頭がフル回転しすぎてぷしゅー!となっている時に、人間味あふれるエピソードでくすっとさせてもらえるのは嬉しい。
作者自身のこと愛せるエピソードパートを楽しみつつ、難しい部分は麻雀の先輩達に教えていただきながら読み解いて、麻雀をもっと理解し楽しんでいきたいと思います。
これからも応援しています!
――杵月のあ(Vtuber)
『新 科学する麻雀』のご出版おめでとうございます!
Vtuberの獅子ヶ谷フレアです。
この度はコメントの機会をいただきありがとうございます。
私は麻雀は真剣にやっていつつも、関わってくださる方々のレベルが高いというだけで、実力は中級者程度です。
そんな私ですが座学よりも実践派な人間で、基本的に体感で麻雀を勉強してきました。
もちろん牌譜検討等で学んだことも多いですが、細かなデータ等は知りません。
なので理解力も乏しいのですが、
抑えておきたいポイントが分かりやすく整理されていてとても読みやすいものでした!
特に印象的だったのは一定の状況下でのデータがとても見やすくまとめられている点です!
実践派の方々は一度見てみると世界が変わる一冊かと思います!!
――獅子ヶ谷フレア(Vtuber)
彼の情熱がもしクイズに向いていたら、僕達の関係はどうなっていただろう。これは革命家による挑戦の記録。
――古川洋平(クイズ王)
とつげき東北さん、『新 科学する麻雀』の出版おめでとうございます。「最近データの利用」「シミュレータ新開発で状況別の判断が高精度化」「局収支だけでなく、試合結果まで見据えた判断が可能」など、新しい研究結果を盛り込んだ本書を手にできることに嬉しさを隠しきれません。また自分をバージョンアップできるのか、と。
僕はとつげき東北さんを『科学する麻雀』が世に出る前に知っていました。いまから少しだけ昔の話をします。
みなさんは世界が生まれ変わった瞬間に立ち会ったことがありますか? 僕の例で恐縮ですが、例えば偏差値の導入でした。導入以前は人に対する曖昧な評価がなんとなくされていました。中学2年生のときに、それは突然やってきました。学力の数値化。絶対的評価。能力が可視化され、誰にでも理解できる時代の到来です。1上なら上なんですからね。まさしく世界は新しい価値観に上書きされたのです。少なくとも僕はそう思いました。
時代は飛んでインターネット黎明期になります。とつげき東北氏が現れました。彼が有名になったのは2chという掲示板です。
東風荘というネット麻雀の牌譜からデータを集計して分析。統計を駆使した科学見地に立った画期的な麻雀戦術を披露したのです。
麻雀の新しい概念の出現です。偏差値と同様に、また世界が上書きされたのです。そのくらい衝撃的な考えでした。中世の暗黒時代なら火炙りになっていたくらいの異端度でした...
「テンパイ即リーチ!」「先制されたらオリ」「ピンフのみでも即リーチ」
いまでは当たり前のフレーズですが、当時は流れ論が主流で賛否両論の嵐でした。オカルト派雀士たちの反発が特に強かったと記憶しています。もちろん、とつげき東北が論破しまくりで、僕はその光景を会社のパソコンで食い入るように監視してました(笑)
とまあ、昔話もこれくらいで。世の中には統計データが溢れています。偏差値も経済指標もそうですね。
麻雀だって同じです。基準や指標は必要です。
本書には数値も出てきますが、解説はわかりやすくとても丁寧です。株のチャート本みたいな指標だらけのお硬い本じゃないので、どうか安心してお手に取ってみてください。僕もとても楽しみです。
また強くなっちゃたらどうしよう^^;
――タケオしゃん(6代目天鳳位、麻雀フォトグラファー)
17年前に刊行された「科学する麻雀」は、統計的なデータに基づき論理的にアプローチするという手法を麻雀ファンに広めた画期的な一冊であった。圧倒的な発行部数を背景に後の思想に多大な影響を与えたという点で麻雀界における「聖書」と言っても過言ではない。この聖書は麻雀プロの世界にも多様性と技術向上をもたらし、やがてそれは日本を代表する経営者を魅了するに至った。現在の「Mリーグ」の隆盛は『科学する麻雀』を発端とする流れの賜物といえるだろう(この文脈での「流れ」はとつげき氏も否定しないのでは!)。そのような聖書の続編が刊行されるとあれば、これは読まないわけにはいかない。弁護士でもある私にとって、この1冊を前にした心持ちは六法全書や判例集と向き合うときと同じだ。繰り返し精読して自らの技術を向上させ、麻雀プロとしてのキャリアに良い流れをもたらしたい(この文脈での「流れ」は微妙なやつかな!)。
――津田岳宏(弁護士法人コールグリーン法律事務所代表弁護士・最高位戦日本プロ麻雀協会A2リーグ所属)
『無駄も究めば』
私ととつ君との出会いは今から25年前、河合塾の寮である。つまり、私は彼が“とつげき東北”になる前からの悪友なのである。私たちは2人とも河合塾に所属していながら日中ほとんど予備校には通わず、昼過ぎに目を覚まし、夕方に近所のゲーセン“トンガ”に入り浸っていた。夕に寮食を食べ、夜は自室でわずかばかりの勉強をした後、23時頃にはどちらかの部屋に集まる。日清“麺の達人しょうゆ味”を食べた後、紫煙をくゆらせながら夜更けまで駄弁ったり、ゲームをしたりした。ゲームといっても当時はスマホどころか、携帯電話すらも普及していなかった時代だったので、近所のスーパーで売られていたテトリスのミニ液晶ゲームを独自ルール*1縛りでやったり、空気が少し抜けたバスケットボールに何分乗り続けられるか*2を競ったり、およそ受験生にとって“無駄”なことを一生懸命、突き詰めてやっては楽しんでいた。寮生活も終盤の12月、センター試験を1ヶ月後に控えた日にアホな寮生が実家から麻雀牌を持ち帰った。さっそくその晩、とつ君たち経験者に手ほどきを受けながら、麻雀を楽しんだ。例にもれず麻雀にはまり、寮母に見つかり*3麻雀牌が没収されるまで続いた。センター試験終了日は徹麻をしたために、翌日の河合塾の自己採点会には二人とも寝坊して行けなかった。国公立前期試験終了後は麻雀牌の持ち主が退寮したため、トランプで麻雀を模したゲーム*4を考案し遊び続けた。
私は奇跡的に志望校に合格し、大学入学後もとつ君に誘われるままインターネット麻雀「東風荘」を始め、彼が主催していたシステマティック麻雀研究所で研究員として活動した。当時、研究所ではさまざまな打ち方のセオリーの優劣を比較、検証していた。私のそこでの研究活動は、とつ君の定めた打ち方(たとえばピンフのみをテンパイしたら即リーチする)で数百試合打ち続け、データを提出するといったものであった。今思えば、研究員というよりはむしろ被検者という表現がふさわしいかもしれない。
就職後は忙殺され興味も薄れ、麻雀を全く打たなくなってしまったので、とつ君達の最新の研究成果について論ずることは残念ながらできないが、近年の臨床医学の世界の変化と科学する麻雀の間に垣間見える共通性についての話を一つさせていただく。
医学の世界にはEvidence-based medicine(EBM)=(科学的)根拠に基づいた医療という言葉がある。EBMとは要するにあいまいな経験則に基づく医療を極力排し、質の高い臨床研究結果に基づいて診断や治療を行おうという考えである。EBMは1990年代に欧米で提唱され、本邦でも2000年ごろからこの考え方が急速に広まり、一般の臨床医師にも定着した。誤解の無いように申し添えておくとEBM時代以前も決して“流れ”を読んだ診断や運のみのオカルト治療が行われていたわけではない。
Evidence(根拠)を得るための臨床研究の代表的な手法としてランダム化比較試験というものがある。これはA治療とB治療の優劣を検証するために被検者をA治療を受ける群とB治療を受ける群に無作為に分け、治療効果を前向きに比較検討する研究デザインである。そう、システマティック麻雀研究所で行われていた研究はまさにランダム化比較試験であり、とつ君の業績はEvidence-based mahjong―奇しくも略すとEBMとなる―を提唱し、萌芽的な研究を行ったことに他ならないのである。2000年初頭に医学界でEvidence-based medicineの大きな潮流があったことを知る由もなかったとつ君が、これに着想を得ることなしに、独自に科学的根拠に基づく麻雀戦術理論体系を構築し始めることができたことは驚嘆に値する。
『科学する麻雀』は蓄積されたEvidence(根拠)を一般の読者にわかりやすい形でまとめ、状況ごとの打ち方を明確に示した、医学書で言うところの総説、治療指針である。本書が雀力、数学、プログラミング、考察、お笑い、文才、全てが高いレベルで備わっていたとつ君を除いて為しえなかった金字塔であることは間違いない。
しかし、もしもとつ君が麻雀を当初から学問の対象として研究し、学者として淡々と論文を執筆することに終始していたならば、このように早くから耳目を集め、本書が世に出ることもなかったのではないかとも思う。麻雀――それ自体はほとんど実利のない“無駄”であるが、その無駄に心血を注ぎ、探究し、研究成果をエンターテイメントに昇華できたからこそ、学者のみならず多数の一般麻雀プレイヤー、プロ雀士から支持され、そして出版業界の目に留まり『科学する麻雀』が生まれたのだ。
予備校時代に私とともに “無駄を究め”謳歌した経験が本書の誕生に幾ばくか寄与したとすれば私も光栄の限りである。本書とともに麻雀界が益々発展をしていくことを祈ってやまない。
――竹内 充(医師、医学博士)
はじめまして、数々の有名人の方々に混ざり書評を書かせていただくことになり感動しています。私自身は特段知名度もない、ただの麻雀好きの一医師でございます。しかしながら麻雀を科学するという革命に日本で5番以内程度に早く触れた医師であると自負しております。思いの丈をぶつけてくださいと言って頂きましたので、駄文ではございますが私の文章が1部でも売上に繋がることがあれば光栄です。
さて、未だに売れ続けているバケモノベストセラー『科学する麻雀』。出版当時私が猿のように東風荘にハマっていた時期、既に凸さんは有名人でした。オリの基礎はシステマティック麻雀研究所で学んだし、それが本になると知ったとき、正着は知られていくものなんだと小躍りしました。2004年12月9日、『科学する麻雀』を生まれてはじめてインターネットショッピングを用いて購入しました。
巷の麻雀戦術書が流れや自らの「雀風」を説明しているものに過ぎないものばかりであった中、突如現れた『科学する麻雀』は麻雀を知的ゲームに変えました。「オカルト」「流れ」全盛のこの時代において、キリストが仏教に改宗するような大きな革命でした。当時いわゆる戦術書の枠を明らかに逸脱しており、論文であり教科書でもあり経典でもある、そんな書籍でした。『科学する麻雀』以降、統計学的手法を用いた戦術本が多数出版されていますが、それらの本が戦術本として成り立っているのはこの革命以後であるからと理解している麻雀打ちも多くいることでしょう。
前作『科学する麻雀』のために(せいで?)世の中全体の雀力レベルは明らかに上昇してしまいました。多少の確率論を理解しているだけで勝ち組になれる時代はもう終わってしまったのです。昔は勝てていたのにここ10年で勝てなくなってきたという人がいたらそれは年齢や遊戯機会の減少によるものではなく、『科学する麻雀』のせいです。
一部前作を読み直し感じたのが、主に東風荘で培われた10年以上前のやや古いデータであることです。現在主流である赤への対応や、(前作のせいなんですが)周囲の雀力レベルが現代麻雀の主流と少し乖離していました。しかし『新 科学する麻雀』では天鳳の最新データを用いることで解決しました。これだけでも買う価値があります。もう5年くらいごとに最新データで発刊しても良いのでは?
さて、昭和の時代から医師といえば麻雀ゴルフ、下手の横好きというイメージがありました。しかし現在になり、ゴルフについては分かりませんが、麻雀については年輩の医師よりも若者の方が明らかに圧倒的に上手くなってしまいました。昔の医師が石器時代に麻雀を覚え始めたのに対し、覚えたときからすでに文明開化しているのです。なんてこったい。私もこれからの若い医師に小馬鹿にされないように麻雀界のトレンドを勉強し続けなければ…。
――shu(医師)
「二度あることは三度ある」
凸さんとは過去二度の衝撃の出会いを果たしています。
一度目がご存知『科学する麻雀』。当時理系人間だった自分ですら「流れ」や「早いリーチは…」などの「格言」をそういうもんだと思いつつ麻雀を楽しんでいたところに読んだ一冊。今までの疑問に対する答えが、膨大なデータの解析によって明らかになっていく様に興奮したのを覚えています。まさに私の麻雀人生のバイブルと呼べる一冊でありました。
二度目の出会いはTwitterの世界です。なんとも親しみやすいアイコンで突如医師クラスタの前に現れ、我々世代の麻雀経験者には超有名であった凸さんが気軽にいいねをつけ、リプライを返してくれる。「うおーー!! あのとつげきさんですか!?」と医師クラスタが狂喜の声を上げたのを覚えています。しかし本当の衝撃の出会いはそのあと突然に現れました。「馬鹿な発言はするな」「論理的に説明してください」といった超攻撃スタイルに豹変(いや、我々がそのときそう感じただけで、凸さんにとっては平常運転でしたが)、多くの医師クラスタは「なにこれ!?」とスルーする者、人格攻撃を含む誹謗中傷を始める者、無謀にも議論を挑み葬り去られる者、阿鼻叫喚の地獄絵図になりかけました(笑)。しかし、おそらく私を含む少数の医師が「いや。とつげきさんは表現こそ過激だが、極めて論理的で事実や解析の積み上げで物事を語っている」ことに気づきました。医学のことでさえ、私たちが気づかない角度から「明快な回答」を論理的な根拠付きで行ってくれました。いかにロジックに忠実に物事を考え発信していくのか、についてとても多くのことを学ばせていただきました。
その凸さんが満を持して出される今回の『新 科学する麻雀』で、私は三度目の衝撃を受けること間違いなしでしょう。当然、これからの時代の麻雀戦術の基本となることは間違いなしでしょうね!
――たなか(医師・医学博士)
麻雀漫画の50年に及ぶ歴史というものは、傑作・名作・凡作・駄作を問わず、数々の作品を徐々に積み重ねることで作り上げられていったものです。しかし、麻雀戦術書の歴史は、完全に『科学する麻雀』の以前・以後で分かれます。もっと言うと、『科学する麻雀』発行という瞬間が特異点となり、そこからようやく文明が始まったと言っても良いほどです。今度の『新 科学する麻雀』が、現在の「特異点以後の世界」でどういう評価になるのか、 歴史的観点からも楽しみにしています。
――いのけん(麻雀ブロガー)
『科学する麻雀』が初めて発行されたとき、第一感は「なんだこの読みにくい論文」でした、稚児と申します。
流れ信者とのやり取り以外当時は読み飛ばしていました…。
それから改訂版が出るなどして、より多くの人に広まっていった本著ですが、今回は昔飛ばしていた部分について掘り下げて頂けるらしく、大変楽しみにしていた一冊です!
自身も牌譜検討を中心とした活動をしているので、配信に来てくれた、麻雀の実力を伸ばしたい人にお勧めしたいと思っています
――稚児(麻雀Vtuber)
日本プロ麻雀協会の比嘉秀仁です。新刊おめでとうございます。
凸さんは私にとっては麻雀観に改革を起こしてくれた方です。何度も著作やサイトで言及されていますが、統計によるセオリーの確立やそれまでのオカルト的な言説の検証と否定を成し、現在の麻雀へ至る道標となってくれました。この新刊も未来の麻雀に何らかの改革や啓蒙を与える名著作となることを期待しています!
――比嘉秀仁(日本プロ麻雀協会所属プロ雀士)
『科学する麻雀』は私の基盤です。麻雀を本格的に始めてから、擦り切れるほど読み込みました。データに裏付けされた打ち方を意識するようになってから、勝ち続けることができています。
その『科学する麻雀』が新しくなりました。
最新データを利用し、シュミレーター新開発で状況別の判断が高度化し、局収支だけでなく試合結果まで見据えた判断が可能になりました。
この本で私の麻雀をアップデートします。絶対に押さえておきたい一冊です。
――堀内正人(プロ雀士)