これは我らが死に装束、誰の許しを請えというのか『ワールド・オブ・タンクス:ラッシュ』


GEN-CONなんで写真解禁だ!

今回紹介いたしますのはロシア生まれの多人数参加オンライン戦車戦ゲーム、ワールド・オブ・タンクスをこれまたロシアのゲーム出版社、ホビー・ワールドがデッキ構築型のゲームとしてデザインした
ワールド・オブ・タンクス:ラッシュ
です。

英語版流通がフランスのアスモデ社になったため、発売が遅れていましたがGEN-CON合わせでどーんと登場となりました!


ゲームの目的はゲーム終了時に最多の勲章を得ることです。

そのために、最初は《工兵》《技師》《志願兵》だけの自分のデッキと、基地3枚(自陣営ヒットポイントゲージだと思うとよいでしょう)を受け取ります。

そして目の前には『車輛デッキ』とそこからめくられた4枚の『予備軍』があり、ゲーム終了時の得点条件となる『勤務実績カード』の12種類の中からプレイヤー人数に応じて何枚かランダムに並べられています。


『勤務実績』は、最多撃破とか、最多重戦車保有とか、そういったいろいろな条件で獲得できるボーナス。

そして得点となる《勲章》は国籍別に分けて置かれています。

ゲームの基本的な流れは、自分の手番に……

1)ダメージ回復と手札の公開
 (そう、通常3枚の手札は自分のターンに全部見せるのだ!)

2)手札のカードのプレイ
・手札を使って予備軍からカードを1枚購入する(兵站=捨て札置場に置かれる)
(購入できるカードは常に4枚並んでいます/買わなくても次のカード補充のステップで、毎ターン1枚入れ替わります)

・カードの能力を使用し、基地の防衛にあてる(1枚の基地に1枚のみ)

使われた装甲車両は、防御に回されます。それ以外は捨て札。
基地は無防備であれば2回攻撃されると失われます(重戦車の攻撃は1回で撃破)。

【追記・訂正】ルール読み違えていました。カードの能力を使用したら、装甲車両であれば捨て札ではなく防御に回ってしまいます。

3)手札補充
・手札は3枚

コストは工兵などの「資源」(ジェリ缶マーク)で購入しますが、技師などの「研究」の場合はほぼコスト同様に使えますが、使用したカードがゲームから取り除かれます。志願兵などの「動員」能力を使えば、購入枚数制限は1枚ではなく任意になります。


戦車は下段のコインのところにある数字が必要な資源。右のジェリ缶の数字が支払いのために使った場合発生する資源。

真ん中のマークは特殊能力で、アイコン表示となっています。
因みにティーガーIには能力なし。重戦車バニラ。

※追加:パンターは能力があるのでこちらも写真を上げる;カードドロー2枚付だ。

右上の数字は攻撃力と防御力で、下が分類アイコンです。
基本、重戦車はどれも2-2、中戦車は1-2、自走砲は2-1、軽戦車は1-1となっています。
能力差は特殊能力であらわすわけですな。

戦闘は他のプレイヤーの基地を攻撃する時に発生し、防御する戦車がいた場合は戦車どうしでの戦闘が発生します。
攻撃に参加する場合、同一陣営の戦車であれば、合わせて攻撃できます。

途中敵車輌撃破などした場合、勲章カードを獲得します。獲得したカードは兵站に置かれますが、一応勲章でも資源になるので、ドミニオンのようにデッキが重くならない? (手札が3枚という事実は忘れよう)

基本はこうやって、オンラインゲーム同様戦車を購入してコレクションを増やしていきながら、戦闘を繰り返して点数を稼ぎ、ゲーム終了時に獲得したカードを勤務実績カードと照らして条件を満たしたプレイヤーがそれを獲得(勲章5枚に相当)するというもの。
ゲームは自分以外のプレイヤーが基地を失って脱落してしまったり、何れかの国籍の1点の勲章が無くなったらゲーム終了。
勲章(点数)が一番多い人が勝者。
ゲーム途中の勲章1枚は、最低限の資源になるとはいえ、デッキの動作に邪魔ですので、ゲーム終了後に獲得する勤務実績(=5勲章)をどうにか狙ったほうがいいのかも?

実に基本はシンプルなデッキ構築系……が、ルールなんてどうでもいい。
このゲームのキモは収録車輌だ!

独米蘇仏の車輌や歩兵部隊や対戦車砲がカード化されており、各陣営25枚、計100枚が車輛カードとなります。
しかも名称は各国呼称ママ。

例えば米軍は、M2中戦車、M3スチュアート、M3リー、M4シャーマン、M5スチュアート、T1試作重戦車、M6重戦車、M7、M36スラッガー、M26パーシング……などなどの有名なものからマイナーなものまでいろいろと収録。
つか試作戦車多いな! てっきりM4(××工場)みたいな感じで、同じカードがごっそり入ってると思ってたのに。

※上から重戦車、中戦車、軽戦車、自走砲・突撃砲、補助戦力

 

ドイツは、オペルブリッツなどのソフトスキンは当然ながら、38(t)グリレ、2号戦車F型、4号戦車、5号戦車パンター、VK3001(P)、マウスほか、結構な種類が収録。米軍に比べると補助戦力が少ないね。

※上から重戦車、中戦車、軽戦車、自走砲・突撃砲、補助戦力

蘇聯戦車もT-26、T-28、T-34、T34/85、KV-2、SU-76ほかが収録……IS-2は入ってない!
拡張待ちなのか!?

※上から重戦車、中戦車、軽戦車、突撃砲、自走砲、補助戦力


Achtung, PAK!


蘇聯は補助戦力と間に合わせの戦力メインだ。戦車が実は少ない……

仏はおまけみたいなもんだと思うのですが、一応。
オチキスH39やらルノーBS(!)やら……あれ、ロレーヌ40tやらAMX M4も収録されてる……なんかずるくねぇか? 元ゲームにあるからいいの!?

※上から重戦車、中戦車、軽戦車、自走砲・突撃砲、補助戦力


軽戦車が多い……

どうも未収録の車両がいくつかあるし、対戦車砲などももう少し欲しいし、英・伊・日は参戦していないし……これは拡張フラグ……なのか?

ゲーム自体はものすごくオーソドックスな、購入カードが入れ替わっていく系統のデッキ構築ゲームとなっており、慣れている人ならすぐルールも理解できると思われます。
元ゲーム好きな方や戦車好きの方で、デッキ構築系ゲームは大丈夫な人はすぐに遊べると思いますので、揃えておいて損は無いと思われます。

ただし、戦車などさっぱりわからない、という人にはそれぞれのカードにあんまり思い入れが出ないでしょうし、どの戦車も同じに見えてしまう人には全く向いていません。
しかしながら、元ゲームをプレイしている人や、登場戦車は全部と言わないが大半はわかる、ドイツ語はモーターブーフを読むためにおぼえた、「俺のケツをなめろ!」と言う方には強くお勧めいたします。

ワールド・オブ・タンクス:ラッシュ(World of Tanks: RUSH)
プレイ人数:2-5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分以上
製作:Hobby World
デザイン:ニコライ・ペガソフ
価格:4,000円+税