それはゲームというにはあまりにも大きすぎた。『オーガ:デザイナーズエディション』


と、いうわけでお待たせしました……
スティーブ・ジャクソン(米)の代表作の一つ、未来の核動力自律型超重戦車との死闘を扱ったシミュレーションゲームの最新第6版、

オーガ:デザイナーズエディション
です。

・大きく、ぶ厚く、重く、そして(梱包は)丁寧すぎた。
でかいでかいといっても……このくらいだと思ったでしょ?

※注:持ってる人(ラスクロの偉い人)が異常に大きいわけではありません。

実はこんな感じ。

1カートンに……

1個入り。
(ふつーは5個とか6個とかね)
まぁ、具体的に言うと65.5×19×53cm、12㎏程度

ルールブックは通常シュリンクの上から貼付するのですが、倉庫であまりの重さに作業できないということで、このカートンの中に放り込んであります。
因みにカートンは厳重梱包。

・それはまさに鈍器だった
内容は……
今から60年ほど未来。
装甲材の進化により、通所の弾丸では装甲車両を撃破できなくなってしまい、航空機や誘導兵器もレーザーの発達で無力化され、最強の戦略兵器である核弾頭搭載弾道弾も当然時代遅れの陳腐な物となってしまった。
もはや地上で戦術核兵器をぶつけ合わざるを得なくなった戦場で、最強の戦略兵器となった、2mもの新素材装甲を身にまとい、数十メートルもの巨大な車体を核動力で駆動する、ハリネズミのような武装をまとった自律型超巨大戦闘車輛、オーガとそれを迎え撃つ通常戦車(とはいえ新素材装甲により防御力は高い)、GEV戦車(地面効果―ホバークラフトとかのことですな)、パワードスーツ歩兵の戦闘がテーマの、1ヘクスは1500mスケールの戦術級シミュレーションゲームです。

ターンシークエンスは

  回復 / 移動 / 行動不能チェック / 射撃 / GEV再移動

を互いに繰り返すもので、戦闘は攻撃力と防御力の比で戦闘結果表を見てダイスをふって判定するオーソドックスなものです。

兵種により使用する地形効果が異なり、その特性を生かさなければオーガの進撃を止めることはできません。
一方、オーガも適切に火力の分配をし、優先目標をコンスタントに叩いていかなければ行動不能になるかもしれません。

そして、昔は白黒印刷での安い小さな箱入りだったオーガも(日本語版のころにはさすがにカラーになってましたがポケットサイズなのは変わりなし)、この版ではここまでデカものとなり(箱のデザインがシンプルなのは明らかに錯視効果を狙ってるよね)ユニットはほとんどが紙製の組み立て式で、オーガはダブルサイズユニットとなっています。

昔日本語版持っていた人にとっては日本語版が出なかった拡張も入ってるので昔に比べて寄り戦術的なゲーム展開や、シナリオバリエーションが楽しめます。

初めて買う人は、戦術級シミュレーションゲームの入門として遊んでみてください。

実のところ、持ち歩くことが不可能なサイズ、とまではいきませんし(私のD&D4版DMセットより小さいし軽いです(笑))、プレイ不可能か、というとできないことは無いギリギリの大きさです(1畳から2畳位……昔のビッグサイズシミュレーションゲーム程度)。
公民館などを借りて、気合を入れてプレイするなどするのがぴったりな感じですが、世間のゲーム会は、まぁそんな感じでやっているのでできないわけじゃありませんな。

これ以上は説明はいらんでしょう。

このゲームは、おそらくゲームデザイナー社長では最も成功した人物の一人である、スティーブ・ジャクソン社長の、最初にデザインしたゲームの、35年間の集大成。
男の子の夢の詰まったゲームを、大きな子供の社長が大盤振る舞い(正直価格設定は安すぎる)してくれた、究極の記念アイテムです。

誰にでもおすすめできるものじゃないのは分かっちゃいるのですが――あの時代にあのゲームが好きだった世代の人は――あれから2、30年もたったけど、いくつになっても中身は変わらんわけで――なんかワクワクさせられたでしょ? 実際日本のセールスも結構多く、スティーブ・ジャクソン社長も喜んでました。
そしてお高く見えますが、このコンポーネント分量のゲームを、この価格でなんか2度と作れるわけがないので、とにかく気になったら人には入手難になる前にお勧めします!

オーガ:デザイナーズエディション
プレイ人数:2人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約30分以上
製作:STEVE JACKSON GAMES
デザイン:スティーブ・ジャクソン(米)
価格:12,000円+税