文化がちがーう!『帝国の時代:インペリウム・クラシック』&『帝国の時代:インペリウム・レジェンド』


今回ご紹介するのは、各自古代国家を受け持って他国家と帝国への発展を競う

帝国の時代:インペリウム・クラシック帝国の時代:インペリウム・レジェンド

です。

『クラシック』と『レジェンド』のルール自体は同じですが、含まれている国家が異なっています。

【クラシック】

カルタゴ/ローマ/ケルト/スキタイ
ギリシャ/マケドニア/ペルシア/ヴァイキング

【レジェンド】

アーサー伝説/ユートピア/アトランティス/オルメカ
マウリヤ/エジプト/ミノア/秦

これらの国家はそれぞれ独自のデッキを持ち、その能力、構成、枚数がそれぞれことなります。

ゲームの目的は、これら国家として《不穏》カード山が尽きて世界が「崩壊」で終わったら最も《崩壊》が少ないプレイヤーが勝利し……

名声デッキが尽き、《王の中の王》が裏返しになる(つまり国家の名声が世界でとどろく)、もしくは;

発展エリアのカードが尽きたプレイヤーがいる(つまり、帝国は絶頂期を迎えた)、もしくは;

メインデッキが尽きる(時間切れ);
……と、帝国の反映が極まったところでその繁栄度である点数が高い国家が勝利します。
(勝利点はカードに記載があったり、トークンとして得たりします。)

ゲームのルールは簡単……ですが、カードテキストの記述はTCGでおなじみのキーワードを多用した記述となっています。

この記述方法は、「一連の動作を1単語で明確化する」ときや「結果は同じになる複数の動作の区分け」の時に効果を発揮するのですが、反面覚える必要があります……

『帝国の時代』でおそらく一番抑えなければならないのは「調達」と「取得」。
どちらも「市場のカードを手札に加える」キーワードですが、「取得」は公開されているカードしか選べずその際に重ねておかれた《不穏》も獲得しなければならないのに対して、調達は山札からも獲得できかつ《不穏》は獲得する必要がありません(不穏パイルに戻す)。

キーワードはルールにまとめて記載されているので、最初はわからなくなったら都度確認するとよいでしょう。

盤面はこんな感じ……個人の場には、各国家の能力が記載されたカード、山札、デッキが尽きてカードが引けない時に捨て札に加えてシャッフルする国家デッキ(ここが尽きると蛮族から帝国に《状態カード》が変わる)、帝国となって以降デッキが尽きてカードが引けない時にコストを払うことで1枚選んで捨て札に加えてシャッフルする発展エリアのカードが並べられています。
(一部国家ではないものもあります……例えばヴァイキングは帝国になりませんので、発展エリアにカードはありません)。

市場は市場ボード(3分割の……バー?)で置く場所が決まっていますが;

赤い「不穏」……デッキに入れたくはないが、市場に「未開」「文明」「民衆」が出るたびに重ねておかれる(「取得」では一緒にとらなければならない)。
黄の「領土」は、帝国の支配下に置く土地。土地なんで《不穏》カードはおかれないのだ。
緑は「未開」で、蛮族の時に役立つカードが主に含まれます。
白は「文明」で、帝国にならないと使えないカードが多く含まれます。
青は「民衆」で、各国家が従えた民族をあらわしています。「領土」「未開」「文明」は人数によってデッキ枚数が決まるのですが、残りはこの「民衆」とともにシャッフルして「メインデッキ」とします。

ゲーム自体は以下のいずれかを手番になったら行います。

・【発動】3アクション+5起動アクション
・【革新】手札を全部捨てて、[青][黄][灰][緑]のどれか1枚を調達
・【反乱】手札の[赤]を全て不穏パイルに戻す。

(2番目と3番目はどちらかというと救済策)

アクションでは基本カードを1枚プレイして、その効果を解決します。
場に出ているカードには、消耗することで効果を発揮する物があるので、こちらも消耗トークンを置くことで使用可能(5回まで)。

このアクションを駆使して、市場からカードを調達したり、取得したり(《不穏》がついてくる)して手札に加えたり、リソース(物資や人口、進歩があります;進歩はゲーム終了時1点になり、1人口か2物資の代わりに1進歩をはらうことができます)を得たり、点数を得たり、ほかのプレイヤーの点数を奪ったり、名声カードを得たり……と様々な効果があります。

これをやったのちに整理ステップで……
・進歩トークンを1枚市場に置き……
・アクショントークンと消耗トークンを状態カードに戻し……
・好きなだけ手札を捨てて……
・手札上限(通常5枚)までカードを引く

これで1ラウンド終了。

カードを引くときに山札がなく引けない場合は、蛮族の場合は国家デッキのカードを1枚捨て札にしてからシャッフルして山札に……国家デッキはすべてなくなったら帝国へとなります。


「ペルシア」の《ペルセポリスが》がカードを引けなかったために捨て札にされ、再シャッフルの後に山札に……状態カードは「帝国へと変わった」

帝国になっていた場合は、発展エリアのカードを1枚選んで捨て札に入れることができますが(後シャッフルして山札は同じ)コストを支払う必要があります。

ただし、状態カードで表示されている状態が帝国になったら、蛮族のカードはプレイできなくなります。


「領土」カードの中には「駐留」という能力がある……場に出した領土カードの下に、手札のカードを1枚入れることで、デッキからいらないカードを一時的にでも排除できるのだ!


同じように、カードの能力の中には「歴史に置く」というものがある……ゲーム終了期まで取り除ける。

そのほかラウンドの終了時に発動する「至点」能力などもありますが、覚えることはそう難しい感じではありません。

ゲームは《不穏》の山札が尽きて起きる【崩壊】か、メインデッキにカードがなくなったり誰かの発展エリアのカードがなくなったりして(条件達成した最終ラウンド+1ラウンドをプレイ)【得点】が発生したら終了。

崩壊の場合は……文明は崩壊したので、その中でマシ=《不穏》が1番少ないプレイヤーが勝者。
得点の場合は、得点トークンやデッキに入れたカードの点数(《不穏》はマイナス点!)の合計が多いプレイヤーが勝者となります。

……と基本はいたって簡単なシステムですが、各国家ごとにデッキが異なっていたり、いわゆるデッキ圧縮の手段として「歴史にする」=「ゲーム終了時の得点計算まで登場しない」と「駐留する」=「そのカードの下に入れておき、そのカードが場から離れるまで下に入れておく」などがあったり、リソースの入手手段が限られていたり、蛮族の時にしか使えないカード、帝国でなければ使えないカードなどの制限があったりで、その国家の方針によってよくよく考えてカードを獲得して得点行動をしていかなければならない内容となっています。

また、ルール的には自分vsBOTの1人プレイ用のルールが良くできており、『クラシック』『レジェンド』で全16国家なので、個性的な国家同士の戦いが240通り(BOTの場合ちょっと特殊なルールを使うので国の組み合わせは120通りですがプレイヤーとは別物として計算しております)も楽しめてしまうお得さ……全部試すの結構たいへんよね。

インタラクションも市場のカードの奪い合いだけではなく、相手に影響を直接与えるカードも(国家にもよりますが)結構あり、駆け引きもかなり濃厚なゲームとなっております。

ルールの難度もキーワードさえ覚えてしまえばあとはカードテキストを読むだけだし、プレイの難度はざっくり国家ごとの指針もあるので最初はそのあたりを意識してプレイをしていけば良いかと思います(そのうち自分のデッキのカード、市場にあるであろうカード、対戦相手の国家にあるカードを覚えてくるとまたプレイが濃くなっていきそう……)

ちょっと重めの、ガッツリ遊べるゲームを探している方にはかなり長く遊べるゲームとしておススメいたします。

帝国の時代:インペリウム・クラシック
帝国の時代:インペリウム・レジェンド
プレイ人数:1-4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:40分/人
製作:Osprey
デザイン:ナイジェル・バックル、デヴィッド・トゥルツィ
価格:各5,400円+税