これが一番儲かるぞォ!!『アルマナック ~ドラゴン街道紀行録~』


ゲームのテーマとして「商売」は相性がいいのか、色々とタイトルが出ていますが、

アルマナック ~ドラゴン街道紀行録~

も、ワーカープレイスメントで賞品を獲得したり売却したりして、一番利益をげるのが目的というゲームです……が、ちょっと変わっているのが、プレイヤーは、隊商を率いる商人となり、辺境の村からドラゴン街道を通り、ドラゴンの都を目指しているというところ。

途中の交易地で商品を仕入れたり、売却したり、その土地ならではの品物を入手したり、輸送力や働き手や護衛力を強化したり、注文を受けたり、受けた注文の品を発送したりすることになりますが、固定のゲームボードは無く、毎ラウンド使うゲームボードが変わっていくのです!

テーブル中央には紀行録(本)を置き、最初の交易地である「辺境の村」のページを開いておきます。これがゲームボードになります。

交易品は4種類。

各種お金。

護衛トークンは隊商の護衛……戦力を提供。

そのほか旅の途中で登場する物品などもあるのですが、それらは全部が登場するわけではないのでわきによけておきます。

遭遇デッキと戦闘ダイスはまとめておきます。

これは名前の通り遭遇時に使用します。

隊商カードはキャラバンの荷車や労働者や護衛を強化するカードです。
荷物のマスがあり、これが輸送できる商品の数になります。

最初の荷車には6個しか置けません。

契約カードは獲得した品物を契約の達成アクションで売りさばくことで点数がもらえる注文書。報酬は点数が主ですが、そのほかオマケ報酬がある場合も。

各プレイヤーが最初に持っているのは、衝立とワーカー6個、初期隊商カード、契約カード2枚、プレイ順に従ったお金を受け取ります。

ワーカー3人は衝立の前の隊商カード上に、残りは衝立の裏に置きます。これはゲーム中獲得したら隊商カードに置きます。

プレイヤーのうち一人が「ガイド」となります(ラウンドのスタートプレイヤーです)。


ゲームの流れは3ステップ。

まず、新しいページをめくって現在の交易所の準備。
専用コンポーネントの準備をしたり、新しいルールを確認しましょう。
基本的にワーカーを置くルールは行く先によって変わります

最初の「辺境の村」は……「既にワーカーを置いた同じ小屋にはワーカーを置けない」だ。

人数分の隊商カードを表向きで配置します。

後々このステップに解決する効果などが契約カードで得られる場合があるのですが、忘れやすいのでご注意を……


次にやるのはガイド(スタートプレイヤー)から順にワーカーを1個ずつ置き、そのアクションを実行すること。

アクションには以下の種類があって……

  • 書いてある品物を貰う。

  • 書いてある品物を1個以上、任意の数記載の金額で売る(地域により相場が異なります)。

  • 商店への来訪:任意の品物1個をもらうか、品物1種類を1個以上を1個当たり3金で売るか、護衛トークンを1つ貰う(護衛は遭遇時に戦力になるし、少なくとも1点にはなる)。

  • 場にある隊商カードを2枚コストを払って購入する(荷物スペースが増えるし、点数も得られる。なにより、カードにもよるがワーカーが増える!)。

  • 契約の締結:未達成契約カードが0枚~1枚なの時のみ置ける。契約カードを3枚引いて2枚をデッキの底に戻す。

  • 契約の達成:契約カードに記載の品物を払って、契約カードを表向きに出す(ギルドに頼んで発送しているのかな……)。発送先によっては、オマケで効果がある。

    なお、ワーカープレイスメントのゲームであるため早目にワーカーは増やしたいことと、最終的な点数はお金のウェイトが高いこともあり品物の積載量は正義なので、隊商カードは早めに抑えたい所。
    手番的にダメなら、次のスタートプレイヤーを目指してお金と商品の仕入れをしっかりすべし。

    ※基本的に「スペースに置いて何もしない」ということは出来ません(出来ないスペースにはそもそも置けない)。なので、各交易所の配置制限が地味に効く場合があります……

    全員がパスしたら次のステップになります。


    ここで今の盤面をクリンナップしたら、ガイドを決める競りをします。

    ガイドになると良いことは;
    1)次の交易所でスタートプレイヤーになれる
    2)次の交易所の選択ができる(行く先で品物の入手難度=相場が違う)
    3)「遭遇」で若干有利

    競りは全員で競りたい金額を握って、金額が1番多い人が勝ち、一番少なかった人の金額だけ払います。

    つまり、ガイドにならずとも出血を強いるためにはなるべく握っておいたほうが良いという商人同士が懐の金で殴り合うルールとなっております。
    品物とお金がある程度あって、前回ワーカーが増えていないんだったら頑張ったほうが良いですなあ……逆に言えばどうしてもガイドになりたいプレイヤーにたっぷり嫌がらせもできるわけです……なんと腹黒い……

    ガイドになったら行先を決め、遭遇カードの解決をします。

    遭遇は問答無用で戦闘になる「戦闘遭遇」(ガイドから順に、誰かが勝つか全員負けるまでやる……勝つといいこともあるが、負けるとろくなことはない)、戦闘するかどうか選べる「任意戦闘遭遇」、カードによって全く内容が変わってくる「特殊遭遇」があります。

    遭遇で出会うかもしれない「敵」は毎ラウンド強くなっていくのでご注意を……

    これが終わったら――次の交易地のページをめくって旅は続きます。
    一路ドラゴンの都を目指して!



    ルート全図はこうですが……

    各行先の情報も事前にわからないわけではない。

    ……ドラゴンの都は大きな商いが待っていますので、ごっそり荷物を持ち込めるように、途中の交易所で仕入れや輸送量の強化を図るとよいでしょう。

    ドラゴンの街での商売が終わったら、ワーカーが置けなくて出来なかった「契約の締結」を、今ならなんと5金で特別に実行できます(輸送料金5金ましとかのサービスなんだろうか……)。

    その後、全持ち金と隊商カードなどの名声、達成した契約の名声を合計した点数の一番高い人が勝利します。
    ……締結したはいいものの、達成できなかった契約はマイナス点ですのでご注意を。

    このように、ゲーム自体はいたってシンプルで、奇をてらったところがない(各交易所のルールが変わりますが)ワーカープレイスメント。
    ちょっと変わっているのは、次のスタートプレイヤーが撮れる競りくらいかな……スタートプレイヤー獲得は結構重要なのは、『アグリコラ』なんかでも重要なのを見ての通りなので、これしだいで展開が変わってしまいます。

    細かいルールを覚える必要はないなく、始めてプレイする時(もしくは初めてのページをめくるとき)は新鮮な気持ちでプレイに専念できます。
    中量級のワーカープレイスメントで、プレイするまでの敷居が低めのゲームとなっておりおススメたします。

    アルマナック ~ドラゴン街道紀行録~
    プレイ人数:2-4人
    対象年齢:12歳以上
    プレイ時間:60-90分
    製作:Kolossal Games
    デザイン:スコット・アルメズ
    価格:8,000円+税