理性的な解決なのか、数の暴力か『救命ボート(LIFEBOAT)』


今回紹介いたしますのは、久しぶりの再販があった
救命ボート(LIFEBOAT)です。

遭難した船から水夫を小島まで救命ボートで逃れさせ、自分の水夫をできるだけ多く逃すことができたプレイヤーが勝利するというゲームです。

ちなみに今月入荷したZ-MANのゲームはどれも運の要素が低いものが多かったのですが、これは特に、運の要素がまったく無いゲームです。

プレイヤーは遭難した船から救命ボートで自分の色の水夫を脱出させるのがゲームの内容。

点数は到着した島と水夫コマで決まり、浸水と戦いながらボートを進ませていきます。

ただし、最初にボートにコマを乗せるのはプレイ順にひとつずつ。
好きな船に乗れるわけではありません。

そして。どの船が進むかは投票で決め、どの船が浸水するかは投票で決め、どの乗員が船から突き落とされるかは投票で決めることになります。

そう。すべては民主的に投票で決めるのです!!

交渉、脅迫、取引、共謀、何をやってもいいのですが裏切られる可能性もあります。
この駆け引きだけがこのゲームのキモです。

ただし1枚だけ使い捨てですが、強権を発動できる船長のカードがあります。これは使いどころが肝心。バッティングすると両者無効なので要注意です。

ゲームの流れは簡単。
開始プレイヤー(毎回時計回りに開始プレイヤーは変更されます)から順番に救命ボートを1個配置します。
そして同様に船員コマをひとつづつ、救命ボートに乗せていきます。
救命ボートの向かう先は点数が低い島、そこそこの島、高い島の3種類があり、ゲーム開始時にその船の向かう先は決まってしまいます。

次に浸水するボートを投票で決めます。

救命ボートが浸水し、空席がなくなると船員コマを乗せていられなくなり、誰かを突き落とさなくてはならなくなります。これも民主的に投票で決めます。

救命ボートを進めるのも投票です。投票で勝った船だけが前に進むのです。

さらに浸水がひどくなってしまうとボートは沈んでしまうので、別なボートに逃げることもできます(それに行き先の点数が高い船に乗っていたいし)。
ただし、別な船に移る場合、順番が重要です。
まず開始プレイヤーから、ボートを降りる船員を選びます。そのボートからは他の船員は降りられなくなります。

全員降りる船員を選んだら、次に乗り込む船を選びます。

ただし。乗り込むのは降りるのとは逆順に、空席がある救命ボートに乗りこみますので、ひょっとすると狙いの救命ボートには先に他の水夫がのってしまい、空きがなくなってしまうかもしれません。

最終的な得点は、到着した島の点数×到着した水夫のコマの数で決まるため、投票と介しプレイヤーが誰でどのような順番に行動を解決するのか、可能行動は何なのかをじっくり考えて、あとは多数派に何とかなるようにがんばりましょう。

とにかく運要素が無く、交渉と読みだけがカギのガチのゲーム
しかも陥れられたのが目に見えて判る直接さ加減。
交渉ゲームの裏切りなんかを笑って飛ばせる、ゲームの遺恨を普段の生活に持ち込まない人にオススメします。に一票。

救命ボート(LIFEBOAT)プレイ人数:3~6人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:90分
ゲームデザイン:R.Wettering
製作:Z-MAN GAMES
日本語ルール付き
価格:6,000円+税