天空に極星はふたつはいらぬ!!『覇王龍城』


今回紹介いたしますのは、
タイル配置のゲームで……
中央の共通の場からタイルを獲得し……
自分のボードに並べ……
その配置によって得点をし……
ゲーム終了時の写真映えもするボードゲーム……

覇王龍城

です。
プレイ感覚的には『アズール』っぽいかもしれません……


使うのは、麻雀牌っぽい、タイル(牌)。

人牌は3種類……黄色は商、赤は兵、緑は農となり、数字は1~6で各4枚

天牌は青の季、黒の風が4種各4枚、ピンクの龍が3種各4枚


全部で116枚。

そして屋根のような「社」……建てると最後に点数になるのだ。

牌はよく混ぜて、ボード上に3段に積み重ねます。

自分の手番になったら、このどこかで見たような山から、牌を取って、自分のボードに配置していくことで、点数を獲得していきます。

牌の取り方は3パターンあって、
1)2枚とる
牌を取る時ですが、牌は長辺と短辺があって、上から見て必ず長辺が空いている牌でなくてはならず、2枚とるときには「種類も数字も同じ」必要があります。

2枚とるときはこのように、長辺が空いていて、セットで取る。

2)1枚とって社を1つを取る

やはり、長辺は空いていないとダメ。

3)1枚とって捨てて、1点もらう

置かないので城の建築点にはならないけど、いらないタイルを無理に置くくらいならこっちの選択肢の場合もある。

取った牌は自分のボードに配置します。
この時、置けるのは空いているボード上か、裏返ってる牌の上だけです。

この場合、置けないのは龍牌の上だけ。

牌を配置した後で、上から見て同じ種類の牌が4個以上辺でつながっていた場合、牌を裏返してその枚数に応じて点数を得ます。

4枚で1点。

数が増えると点数が増える……

5枚で3点


6枚で5点

この時、プレイヤーのストックに社があるなら、今裏返した牌の上に社を置くことができます。
裏返したのが人牌なら1つ、天牌なら2つ、龍牌なら2つ+1点もらえます。

社は建てるとゲーム終了時にその高さに応じて点数をもらえます(最大3点)。

右から、3点、2点、1点。
点数としては結構大きい。

こうやって、牌を取って建設を繰り返していくのですが、中央の山が1回だけになったら、4番目のアクションが解放されます。
4)龍の召喚

これは、取ると1枚2点のタイルなのですが、プレイ人数に応じておかれており、右から4枚が無くなると太古龍が召喚され、ラウンドの終了でゲームが終わります。

このようにゲームの基本部分自体は極めてシンプルですが、加えて精霊カードはと龍カードの存在が、毎回違うゲームにします(使わなくてもいいのですが、使ったほうがダイナミックになる)。
精霊カードは毎回個別の追加のルールを加えるもの。
起動するのは自分のターンに、置いてある牌か、ストックの社を捨てる必要があります。

これで牌の置き方・取り方がかなりトリッキーになります。

虎(破壊の精)は中央の城から取ることのできる牌を1つ、捨てることができる……いろいろ便利!
カメレオン(変化の精)はタイルを裏返すときに、天牌1枚を任意の種類にできる……いっぺんにたくさんめくれる予感!

龍カードは、特殊な得点方法が加わるもの。

左の知識の龍は、表向きの天牌の異なるシンボルごとに2点追加。
右の不屈の龍は、外周にある社1つにつき1点。

この状況だと、知識の龍なら+4点、不屈の龍なら+2点になる。

これらのカードが入ることで、タイルの取り方や得点の方向性ができ、何もないプレーンなゲームに比べるとかなり変化するので、リプレイ性も上々。
(子供と遊ぶときとか、最初に遊ぶときは使わないでとりあえず遊んでみるのもアリ)。

上記を踏まえて、もう一度牌の配置を見てみますと……

例えば兵6を2枚取るとしたら、左下のS字の龍牌が取れるようにすると次の手番の人がお得な龍を取るかもしれないし……といろいろ展開が悩ましいことに気が付くと思います。

自分の得点と、下家の人が何をするのかを考慮しつつ、どの牌を取っていくのか。どう牌を配置して得点につなげていくのか……という戦略性もあるのですが、プレイ時間も説明込みで1時間程度と遊びやすいものとなっており、運の要素と技術の要素のバランスもよく、なによりずっしり重みのある牌の物理的な触り心地もよく、ゲームになじみのない人にも興味を持ってもらうのに向いている、中級のゲームとしてかなりオススメいたします。

覇王龍城
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:45分
製作:Horrible Games
デザイン:ロレンツォ・シルバ、ヒャルマー・ハッハ、ルッカ・リッチ
価格:6,000円+税