あついぞ!『ベア・ヴァレー』


最近の傾向として、“軽めのゲーム”の人気が挙げられますが、軽めと言っても、ルールの量なのか、プレイのしやすさなのか、プレイ時間なのか、物理的な質量なのか、そこは人によってマチマチなものですが、今回紹介いたします

ベア・ヴァレー

もそんなプレイ感覚軽めのゲーム。
系統としてはリスク管理の「プッシュ・ユア・ラック(運試し)」系ゲームで、デザインはカードのある場所によってその能力や意味を買えるデザインが得意な、『イノベーション』や『ユークロニア』のカール・チャデク。

ゲームの目的は至極簡単。

熊谷に来たプレイヤーは……

熊から逃げて、熊河上流の安全なキャンプ地にいち早く逃げることを目指します。

 ↓ 

ルールも簡単……なのですが、ルールはすごく読みにくい。

ゲームでは、プレイヤーは1時間を費やすことで、《移動》か《探索》ができます。
《移動》は今自分の「いる」所から道をたどって隣りのカードへ行くこと。
《探索》は今自分の「いる」所から道をたどって隣のカードを山札からめくって配置すること。

そして、実際にコマを動かすのは、上記を成功裏に終わらせて手番を終えたときになります。

分かりにくいな?

例えば……

1時! 北東!

 

2時! 1時に見つけた道をたどって東!

3時、さらに北東へ!

……ここで止めよう!

ここで「迷っていない」ので、実際にコマを動かす。

この時、自分の手番には同じカードは2回通れない制約と、他のプレイヤーがいるカードに入れない制約、水場は必ず止まる制約があります。

加えて、《探索》に失敗して道に迷った場合、カードをたくさん配置していても、コマは今置かれている場所にとどまります
(前回探索した道をたどる場合にも時間を使うのに注意しなければならない……)

この探索の失敗は、引いたカードがつながらないときや、3時なら出口3個、4時なら出口4個、5時なら出口5個、6時以降なら出口6個のカードを探索で引いたら失敗となってしまいます。

繋がらない。藪に阻まれて道に迷った。

出口が3個、4個、5個、6個。
何時に引いたのかが重要となる。

当然、熊カードも失敗ですし、そのカードは通過できません!

他にも山を越えると山から1つ先までしか行けないとか、迷う可能性がある森があったりして、キャンパーたちの行方を遮ります。

そして、探索に失敗すると、自分は前に進めないうえに他のプレイヤーはそこを通過して先に出てしまうわけで……どこまで時間を費やして良いのか、山札に残った枚数をかんがみてのプッシュ・ユア・ラックになります。

……しかしな。
熊は5枚なのでかなりカウンティングは容易ですが……
カードに「出口は何個」と数字が書いているわけではないので、出口が3個のカードや4個のカードの枚数など、並べてしまってはカウンティング不可能なのではないか(笑)

上級ルールはこのシンプルな内容から一転、その他様々な地形効果が追加されたり、迷った場合代わりの道を行くルールが追加されたり、金で解決するルールが追加されたり、様々なアイテムで特殊な移動ができるようになったり、キャラクターの固有能力(ペナルティ)が加わるなどして、一筋縄では終わらない感じの結構な本格的なゲームになります。

うん、このルール量(上級ルール入れると原文40ページ)チャデクだ。

しかし、基本ゲームは非常に軽い

カール・チャデクのファンや熊谷在住の方、熊が身近な地域にお住まいの方にはもちろん、失敗で盛り上がることができる、オーソドックスなプッシュユアラックのパーティゲームとして、基本ゲームは6人までプレイできるうえに非常にプレイしやすいので、この手の手軽なゲームをお探しの方にはかなりオススメいたします。

ベア・ヴァレー
プレイ人数:2-6人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:15-30分
製作:Stronghold Games
デザイン:カール・チャデク
価格:3,800円+税