コラム

D&D第5版へのお誘い 『地獄の戦場アヴェルヌス』

更新日: 2020.07.07

5 PCまわりの注意

『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』はD&D用第5版用アドベンチャーです。PCたちは前半は都市を、後半は地獄を舞台に恐るべき陰謀に立ち向うことになります。このアドベンチャーの魅力と用法をご紹介します。なお多量の「ねたばれ」を含みますのでプレイヤー予定の方はお気をつけください。

 最後に、このアドベンチャーにはPCの出身やクラスに応じて気にすべき点がいくつかあります。

 (1)出身:
 一部PCをバルダーズ・ゲート出身とかエルタレル出身とかにするのはもちろんアリです。特に「エルタレル出身、できればカタブツ」がPCにいると話がもりあがります。その場合極論すればレイアの存在自体を省いたっていいでしょう。

 (2)クラス:
 ソーサラーなど、もっぱら特定のダメージ種別で大ダメージを出すキャラクターはいます。そのプレイヤーに対しては、このアドベンチャーでは敵に少なからずデヴィルが出てくること、そしてデヴィルはしばしば火に完全耐性を持つことをキャラメイク時点で言っておきましょう。

 クレリックなど、特定の神への信仰から力を得るキャラクターはいます。そしてこのアドベンチャーにはキャラクターがトームかラサンダーを信仰していると味わいを増すシーンがあります。お勧めの神様を聞かれたらトームかラサンダーと言いましょう。逆にPCの信仰する神にあわせてアドベンチャーのほうを変更してもいいです。

 パラディンは気持よくダメージをだせますがロールプレイ面でよくもわるくも面倒になります。このアドベンチャーには悪と呼ばれるものとやりとりし妥協せねばならぬシチュエーションが多いからです。むろんプレイ面子がプレイヤーとPCを分けて考えPC間の衝突を楽しめるなら何の問題もありません。そうでないなら「正統派の」パラディンを避けるよう警告する手もあります。復讐とか覇道ならだいたい大丈夫でしょう。

 ウォーロックにはフィーンドと契約を交した者が少なからずいます。そしてそのフィーンドはことによるとアスモデウスやベルやザリエルかもしれず、それは複雑な問題をひきおこします、主にロールプレイ面で。むろんルール面で言えば、ウォーロックと契約相手が一度契約を結んだなら、ウォーロックが何をしても原則としては契約を破棄されることはありません(ウォーロックが契約相手のいいように使われることを防ぎ、プレイヤーに行動の自由を与えるためです)。DMはこれを説明した上で、敵のちょっと強いフィーンドが死にぎわに「ぐっ ○×さまにいただいた力で○×さまにさからうとは 恩知らずめ」等と捨てぜりふを吐く等の演出を心がけるとよいでしょう。
 ただしプレイヤーが何か納得できずにいるようなら、そのプレイヤーと相談の上で「契約が破棄される話」や「契約がなぜ破棄されないかという話」をやる手もあります。たとえばザリエルの場合は……

 (a)ザリエルがウォーロックの敵対に気づいた瞬間契約が解除される、そして能力を失ったウォーロックが危機におちいったとたん別の存在が呼びかけ契約を持ちかけるというのもいいでしょう。ベルとかトームとかザリエルの飛行要塞の黄金の鳥かごにつかまっているちいさな妖精のお姫さまとかザリエルの飛行要塞のタンクの中で培養されている対デーモン生体兵器である彼方の領域の石川賢的サムシングとかです。

 (b)ウォーロックがザリエルに敵対してもなぜか契約は切れない、最後に対面したザリエルが「わかったぞ私の中の天使の記憶がきさまに力を与えていたのだ、その未練もろともきさまを切る」と言って剣を抜く、というのもいいでしょう。

 『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』はキャラクター構成によって、言いかえればプレイグループによって無数の可能性がひらけるアドベンチャーです。あなたのプレイグループだけの冒険をどうぞお楽しみください。

文:桂令夫