コラム

D&D第5版へのお誘い 『地獄の戦場アヴェルヌス』

更新日: 2020.07.02

3 地獄の魅力

『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』はD&D用第5版用アドベンチャーです。PCたちは前半は都市を、後半は地獄を舞台に恐るべき陰謀に立ち向うことになります。このアドベンチャーの魅力と用法をご紹介します。なお多量の「ねたばれ」を含みますのでプレイヤー予定の方はお気をつけください。

 『地獄の戦場アヴェルヌス』後半の舞台は地獄です。D&Dはどの版にもかならず異次元ものアドベンチャーがあるんですが異次元の魅力と地獄の魅力はどこにあるか。

 異次元というのはつまり、ファンタジーの中でもファンタジー分がはげしいところです。ふだんの世界は魔法以外は地球と同じ物理法則で動きますが、異次元、たとえば九層地獄はそうではありません。太陽なかったりするし。魂が実際に売り買いできるし。ステュクス河に呑まれると記憶なくなるし。つまりはファンタジー世界の住人にとっても世界の理屈が違うのです。

 もちろんデヴィル(悪魔)にとっても世界の理屈が違います。デヴィルは地獄で死ぬとホントに死ぬので勝率6割では戦おうとしない可能性が高いです。したがって序盤でも出てくるインプとかは現世で会ったときと地獄で会ったときは態度が違うはずです。ここは積極的に演出しましょう。PCにとっては、地獄だからといってすべての悪を打ち滅ぼす必要はなく、勝てそうになかったら逃げても別ルートを取ってもよいのです。最後の手段として悪魔に魂を売ればたいていのことは何とかなります。あとは次回キャンペーンで新PCが旧PCの魂を救いに行くか、旧PCが取引を踏み倒す卑劣きわまりない手段を(東欧の民話とかを参考に)思いつけばいいでしょう。

 最後に地獄全体でなく地獄の一番浅い層アヴェルヌス固有の話をすると、ここは地獄というより戦場――デヴィル、デーモン、その他の群小勢力が覇を競う戦場であって、ダンテの地獄とかにはあんまり似ていません。何に似ているといってマッドマックスとか北斗の拳とかFalloutとかのポストアポカリプス世界に似ています。DMはここらへんを何か1本見て/遊んでおくと参考になるでしょう。

文:桂令夫

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