【ルールコラム】ちょっと複雑な『FF-TCG』のルールをクイズ形式で解説!

『FINAL FANTASY Trading Card Game』の公式記事連載。今回は開発スタッフによるルールコラムを掲載。『FF-TCG』で対戦しているとたまにめぐりあう難しい状況、あなたは適切にプレイを進めることができますか? 今回のコラムでぜひ確かめてみてください。

こんにちは、ホビージャパンゲーム開発課の荒井です。

「Opus IV」環境、楽しんでますか?
発売から1か月半ほど経ち、各地で開催されている「名人戦」も中盤戦に差し掛かってきました。私もいろいろな会場に行っておりますが、多くの方が新カードを使用しての初めての大型大会ということもあり、ジャッジとしてもやりがいがあります。

というわけで本日の記事では少し趣向を変えて、「Opus IV」環境で私がジャッジをしていてよく聞かれた質問や、ルール的にちょっとややこしい例をいくつか解説していきたいと思います。
カードの種類数が増えてくると(「Opus IV」時点で600種を超えています)どうしても「これをこれが組み合わさったらどうなるんだろう?」というケースが発生します。公式大会であればもちろんジャッジを呼んでもらえればいいのですが、事前に知っておくに越したことはありませんよね。せっかくなのでこの機会に予習をしておきましょう。

なお、この手のルールの話は普通に書くと少しカタくなってしまうので、今回はクイズ形式にしてみました。ルールに自信のある方はぜひチャレンジしてください。

ではいってみましょう!

—————–

Q1[正しいコストの払いかた]

A.【3-144L】《レナ》をプレイする際のコストとして【3-139C】《ナイト》を手札からブレイクゾーンに置いた。【3-144L】《レナ》のオートアビリティでこの【3-139C】《ナイト》を選ぶことはできるか?
B.【3-020H】《フェニックス》をプレイする際のコストとして【4-024R】《レドナ》を手札からブレイクゾーンに置いた。【3-020H】《フェニックス》の効果でこのレドナを選ぶことはできるか?

(正解は下へスクロール!)




















正解:A=できる B=できない

一見似たような動きに見えるので、パッと見ではどちらもできるようにも思えます。
なぜこのふたつに差異があるのでしょうか? それにはコストの支払いの順番が関係しています。

カードをプレイする際のコストの支払い方を図解するとこのようになります。
見てわかる通り、何かを選ぶ召喚獣の場合は、選んだあとでコストの支払いという順番で処理します。つまり選ぶ時点(②)では、コストにするつもりの【4-024R】《レドナ》はまだ手札にありますので、【3-020H】《フェニックス》で選ぶことはできないわけですね。
一方なぜ【3-144L】《レナ》はOKかというと、これは「フィールドに出たとき」のオートアビリティだからです。コストを支払って(③)、【3-144L】《レナ》がフィールドに出た(④)あとに誘発し、その時点でブレイクゾーンのキャラクターを選ぶため、コストにした【3-139C】《ナイト》もブレイクゾーンに落ちているタイミングなのです。

 

Q2[“ブレイクされない”とは]

アビリティで選んだ際に≪2≫を支払わず、ブレイクされない状態の【4-024R】《レドナ》(パワー5000)がいる。
A. 【4-024R】《レドナ》に対して【2-133R】《不浄王キュクレイン》を召喚し、パワーを-5000した。
B. 【4-024R】《レドナ》のアタックを【4-133C】《バイキング》(パワー2000)でブロックし、その後【2-107C】《クリュプス》で【4-024R】《レドナ》のパワーを-3000した。
それぞれ、【4-024R】《レドナ》はどうなるか?




















正解:A:ブレイクゾーンに置かれる B:ブレイクされずフィールドにとどまる

【4-024R】《レドナ》は「ブレイクされない」状態のため、5000ダメージを与えようが10億ダメージを与えようがブレイクはできません。
ただし-5000されることでパワーが0以下になった場合は、ブレイクではなく「ルールによってブレイクゾーンに置かれる」という扱いになります。そのため、Aの場合、【4-024R】《レドナ》はブレイクゾーンに置かれます。

そしてBでは同様にパワーがマイナスされていますので、なんとなくAと同じくブレイクゾーンに置かれそうな気がしますが、それは間違い。
Aは「パワーが0になった」、Bは「パワーが2000になったレドナが2000ダメージを受けた」状態であるという違いがあります。そしてパワー以上のダメージを受けたときはブレイクされてブレイクゾーンに置かれます。【4-024R】《レドナ》はブレイクされない状態ですので、フィールドにとどまることになります。

 

Q3[難攻不落のセシル]

対戦相手は【2-129L】《セシル》(パワー9000)をコントロールしており、こちらのフィールドには【1-080H】《バッツ》(パワー9000)がいる。
A. 【2-129L】《セシル》に対して【3-074R】《アトモス》を使用した
B. 【2-129L】《セシル》と自身の【1-080H】《バッツ》を選び【4-093R】《ヘカトンケイル》を使用した
それぞれ、ダメージを与えることはできるか?




















正解:A:ダメージを与えない B:ダメージを与える

【2-129L】《セシル》は「召喚獣やアビリティによるダメージを受けない」というアビリティを持っています。この例ではいずれも召喚獣を召喚することでダメージが発生していますので、一見どちらのダメージも防ぐことができそうですが、実はこのふたつには微妙に違いがあります。

【3-074R】《アトモス》は自身のフォワードのパワーによってダメージが決まりますが、あくまで数字を参照しているだけで、ダメージを与えているのは召喚獣である【3-074R】《アトモス》です。そのため、【2-129L】《セシル》にダメージを与えることはできません。
一方、【4-093R】《ヘカトンケイル》も同様に自身のフォワードを参照しているものの、【3-074R】《アトモス》とは異なり「選んだフォワードがダメージを与え合う」となっています。つまりダメージを与えているのは【4-093R】《ヘカトンケイル》ではなく選んだフォワード(【1-080H】《バッツ》ですので、【2-129L】《セシル》にもダメージが入ることになります。

 

Q4[パワーを変更する]

対戦相手のフィールド:【1-180R】《ワッカ》 【1-083H】《マリア》 【1-156C】《オヴェリア》 【4-129L】《スタイナー》
自分のフィールド:【1-180R】《ワッカ》 【1-083H】《マリア》 【4-141C】《ものまね士》
という状態で、【4-141C】《ものまね士》のアクションアビリティを起動した。【4-141C】《ものまね士》のパワーはいくつになる?




















正解:13000

【4-141C】《ものまね士》のアビリティは「相手の最も低いパワーのフォワードと同じパワーになる」というもので、相手のフォワードは【4-129L】《スタイナー》しかいないのでこれと同じ数字になります。この時に見るスタイナーのパワーは「【1-180R】《ワッカ》などパワーを補正する効果をすべて加算した数字」です。【4-051H】《アレキサンダー》の「パワー9000以上」という条件などでも同じですが、基本的にカードの効果でパワーを見る場合は補正を加味した数字が参照されます。
なので【4-141C】《ものまね士》のパワーは、まず【4-129L】《スタイナー》と同じ11000となります。そしてその後、自身の【1-180R】《ワッカ》と【1-083H】《マリア》で+2000され、13000となるわけです。
感覚的には【4-129L】《スタイナー》と同じ11000になるのでは? という気もしますが、基本的に「パワーを○○にする」という効果は、「カードに書かれているパワーをその数字に変更する」ものだと考えるとわかりやすいです。【1-180R】《ワッカ》や【1-083H】《マリア》の+1000は、書いてあるパワーにプラスするものですからね。

 

Q5[続・パワーを変更する]

対戦相手のフィールドにはバックアップが5枚と【1-144R】《ラムザ》がある。
こちらは【3-066R】《バルバリシア》を出し、アビリティで【1-144R】《ラムザ》を選んだ。【1-144R】《ラムザ》のパワーはいくつになる?




















正解:6000

Q4の解説を読んだ方ならすぐわかりますね。まずパワーが1000になったあと、バックアップ×5で+5000され、6000となります。
【4-058C】《サボテンダー》というわかりやすい相方が登場したことで狙いやすくなった【3-066R】《バルバリシア》のコンボですが、使う際は相手のフィールドにパワーを増やすバックアップなどがいないか確認してからにしましょう(過去何度もやらかした経験あり)。

 

Q6[選ぶということ]

A.【4-096H】《ラウバーン》で【4-115L】《ライトニング》を選び、それに対して対戦相手は【4-115L】《ライトニング》のアクションアビリティを使用、【4-115L】《ライトニング》はゲームから除外された後フィールドに戻った。その後【4-096H】《ラウバーン》が解決するとどのような処理になるか?
B.【4-096H】《ラウバーン》で【4-115L】《ライトニング》を選び、それに対して自分の【4-096H】《ラウバーン》に【1-157C】《学者》を使用し手札に戻した。その後【4-096H】《ラウバーン》が解決するとどのような処理になるか?




















正解:A=ダメージを与えない B=【4-115L】《ライトニング》に9000ダメージを与える

対戦相手を「選ぶ」というアビリティや召喚獣はたくさんあります。これらの「選ぶ」効果は「選んだとき」と、もろもろスタックに積まれた後の「解決時」の2回、選んだ対象が適切であるかをチェックし、それが不適切になった場合は効果そのものが無効になります。

不適切な状態とは具体的には、
・選んだ対象がフィールドから離れた
・選んだ対象が“選ばれない”状態になった
・何らかの条件付きで選ぶ場合に、その条件を満たさなくなった
などが挙げられます。

さて、Aの場合【4-115L】《ライトニング》は選ばれたあと、自身のアクションアビリティによって除外されました。これは「選んだ対象がフィールドから離れた」に該当するため、不適切となります。いやいや【4-115L】《ライトニング》は除外されてすぐフィールドに戻っているじゃないか、と思うかもしれませんが……『FF-TCG』においては見た目上同一のカードであっても、一度フィールドを離れたのであればそれは別のカードとして扱われるルールがあります。戻る前と後では別の【4-115L】《ライトニング》であり、例えば元の【4-115L】《ライトニング》が【2-019R】《魔人ベリアス》でパワー+1000と先制攻撃を得ていたとしても、離れた瞬間にそれらはリセットされます。【1-181H】《オニオンナイト》を手札に戻し、すぐに出し直すなども同じことですね。

そしてBは逆のパターンで、今度は【4-096H】《ラウバーン》がフィールドから離れました。これはAと同様に不適切で無効になるのでは? という気もしますが、こちらはちゃんとダメージを与えることができます。
理由はとてもシンプルで、【4-096H】《ラウバーン》のオートアビリティで選んでいるのは対戦相手のフォワード1体だけであり、【4-096H】《ラウバーン》自身を「選ぶ」とは一言も書いていないからです。選んだライトニングは解決時まで適正ですので、【4-096H】《ラウバーン》がフィールドから離れたとしてもそのまま解決されます。
ちなみに「選ぶ」ってどこまでを指すの? という質問もよくいただきますが、これも非常にシンプルで、ずばりテキスト内に「選ぶ」と書いてあるか、ただそれだけです。プレイヤー自身の挙動として何かを選ぶような行為をしていたとしても、「選ぶ」と書かれていない限りは選ぶ効果ではありませんので、そのように覚えておいてください。

 

Q7[フォワード化するモンスター]

アビリティを使用してフォワードになった【4-041R】《ヌマニュウドウ》に対して【2-107C】《クリュプス》が召喚され、パワーが-3000された。その後、【4-041R】《ヌマニュウドウ》に対して【4-144H】《リルム》のアビリティを使用した。【4-041R】《ヌマニュウドウ》のパワーはいくつになるか?




















正解:4000

モンスターを「パワー○○のフォワードとして扱う」アビリティはいくつかありますが、それが重複した場合は基本的に「あとから使ったアビリティの数字に置き換えられる」と考えてください。なのでパワー5000だった【4-041R】《ヌマニュウドウ》は、【4-144H】《リルム》によって7000になります。そして【2-107C】《クリュプス》の-3000はターン終了時まで持続しますので、最終的にパワーは4000となります。
なんとなく、感覚的には【4-144H】《リルム》でパワーを7000にしたことで【2-107C】《クリュプス》の-3000もなかったことになりそうですが、【4-041R】《ヌマニュウドウ》自体が別のカードになったわけではなくパワーの基礎値が変更されただけですので、-3000はそのまま継続する形になります。ちなみに「アタック時にダルにする」アビリティも保持したままです。

—————–

いかがだったでしょうか? 皆さんのルール理解の一助になれば幸いです。
なお、今回は7つほど例題を挙げましたが、これらの事例をちゃんと覚えていなければ大会に来てはいけないというわけではありませんので、そのへんはご安心を。少なくとも公式大会であれば必ずジャッジがいますから、困ったことがあったら遠慮なく呼んでくださいね。

ではまた!

Pocket