【FF-TCG】「Grand Championship名古屋」大会レポート[前編]

スクウェア・エニックスが展開する『FINAL FANTASY Trading Card Game』の公式記事連載。今回は7月2日に開催された「Grand Championship」名古屋大会のレポートと、現在開催中の「Opus III」プレリリースイベント情報をお届けします。

こんにちは、カードゲーマー編集部の編集(川)です。
今回は前後編のかたちで7月2日に開催された「Grand Championship」名古屋大会のレポートをお届けしたいと思います。前編では、私の大会参加レポート、後編ではインタビューやイベント情報をお伝えします。よろしくお願いします!

◆使用したデッキと選択の理由

今回使用したデッキは、こちらです。

土単リディア

カードNo. カード名 枚数
フォワード(26枚)
【1-109R】 《セラフィ》 1
【2-079R】 《ウノー》 3
【2-091C】 《ヤン》 2
【1-112R】 《ディリータ》 2
【2-084R】 《サノー》 2
【2-094H】 《リディア》 3
【1-093H】 《ヴァニラ》 2
【1-101R】 《ギップル》 3
【2-077L】 《ヴィンセント》 3
【2-096H】 《ルブラン》 3
【3-154S】 《ジタン》 2
バックアップ(18枚)
【1-105C】 《幻術師》 3
【1-111C】 《タマ》 1
【1-120C】 《モンク》 3
【2-089C】 《モンク》 2
【1-095R】 《エナ・クロ》 3
【1-204S】 《ジェシー》 1
【2-093H】 《ラウバーン》 3
【1-107L】 《シャントット》 2
召喚獣(6枚)
【1-106C】 《ゴーレム》 2
【1-110C】 《タイタン》 1
【1-117R】 《ヘカトンケイル》 3

以前の記事で紹介した「土単タッチ風」デッキを少し改造したデッキリストになります。今回、このデッキを選んだ一番の理由は【2-094H】《リディア》です。

大会前日、私は当時の対戦環境、いわゆるメタゲームを次のように想定していました。

スターターセット「ファイナルファンタジーIX」「ファイナルファンタジー零式」の登場で、環境は大きく変わりました。具体的に言うと【3-137R】《スタイナー》と【3-154S】《ジタン》の2枚を採用したデッキの増加です。
この2枚は、環境随一のパワーを誇っていた「ゴルベーザ」デッキへの対抗馬として頭角を現してきていた「水風」デッキにすんなりと投入され、【1-199S】《パイン》などとともに、除去されても損をしにくいフォワードとして活躍しています。

これに対して、プレイヤーの出した答えが「火氷」デッキでした。
【1-199S】《パイン》や【1-080H】《バッツ》、リセット手段の【1-062L】《ヴァルファーレ》などは、バックアップをしっかり置けていないと真価を発揮できません。また、【1-178R】《リヴァイアサン》や【2-133R】《不浄王キュクレイン》は、相手が高いコストを払って出したフォワードに対して使うからこそテンポを生み出すのであって、極端な話【1-167C】《バイキング》に対して使っても意味はありません。

「火氷」デッキは【2-035H】《シェルク》や【1-007R】《ガドー》から軽いフォワードを展開して、最序盤から攻勢をかけていき「水風」側にバックアップを並べる時間を与えません。また、どのフォワードもコストが軽めで、かつフィールドに出たときのオートアビリティを持っているカードが多く【1-178R】《リヴァイアサン》や【2-133R】《不浄王キュクレイン》にも耐性があります。

このように「火氷」デッキは「水風」デッキの強みを消せる構築となっており、名古屋大会ではこの2つのデッキが多いのではないか予想していました。
そして、この2デッキに対して【2-094H】《リディア》が強いのではないかと思ったのです。「風水」にせよ「火氷」にせよパワー8000以上のフォワードはほとんどいませんので、1回【2-094H】《リディア》のスペシャルアビリティ「大地の怒り」を使えれば相手の戦線を崩壊させられるのではないかと考えたのです。

というわけで、デッキは「土単」に決定しました。
あとは【2-026L】《ヴェイン》や【1-178R】《リヴァイアサン》に弱くなりすぎないよう、コスト5以上のフォワードは採用せず、なるべくデッキ全体を軽くして完成です。

◆「Grand Championship」名古屋大会スタート!

今回の大会は本戦の参加者が111名、初日は全7回戦を行なって、2日目に進出するベスト12を選出することとなりました。
なお、本戦の様子や上位入賞者のデッキリストなどは、『FF-TCG』の公式サイトにもレポートがあげられているので、こちらもぜひチェックしてみてください。

第1回戦 水雷 勝ち

初手が【2-096H】《ルブラン》3枚と【1-204S】《ジェシー》、他1枚という内容でさっそく頭を抱えます。なぜかというと、このデッキにはデッキをシャッフルする手段が【1-204S】《ジェシー》と【1-093H】《ヴァニラ》しかなく、マリガンしたら【1-093H】《ヴァニラ》を引いてアビリティを使わない限り、主力となるフォワードが全部デッキの下にいったまま戦わなくてはなりません。とはいえ、この手札でスタートできるかと言われれば、それは無理なので泣く泣くマリガンします。

幸い、引き直した手札にはしっかりバックアップがあり、序盤はお互いバックアップを並べる展開となります。
そこから【2-091C】《ヤン》を【1-137R】《シーモア》でブレイクされ、こちらの【3-154S】《ジタン》と相手の【3-137R】《スタイナー》がにらみ合います。ここで【1-093H】《ヴァニラ》を引けたので一安心ですが、相手は【2-098L】《異才のアモン》でプレッシャーをかけてきます。

ここでこちらはキーカードの【2-094H】《リディア》。すぐに除去されるかと思いましたが、除去がなかったようで生き残ることができました。
次のターン、さすがに見過ごせないと思ったのか【2-097H】《アルシド》から【1-211S】《リグディ》を出してきたところで対応して【2-094H】《リディア》のスペシャルアビリティを発動させ、【2-098L】《異才のアモン》以外を一掃します。さらに【1-095R】《エナ・クロ》を引き込み、手札に抱えていた【2-093H】《ラウバーン》で【2-098L】《異才のアモン》もブレイク。
そこから【2-096H】《ルブラン》、【2-079R】《ウノー》のコンビが完成し、押し切ることができました。

第2回戦 火水 勝ち

こちらは【1-111C】《タマ》からスタート。対して、相手の方はすごく悩んだ末に【1-003C】《赤魔道師》。こちらは続けて【1-105C】《幻術師》、そして【2-096H】《ルブラン》につなげます。
相手はバックアップを2枚にしてから【3-137R】《スタイナー》をプレイ、こちらの手札が5枚だったので《3-015R》【黒のワルツ2号】をサーチして【2-096H】《ルブラン》を除去してくるかと思いましたが、選択は【3-127R】《エーコ》

これによって【2-096H】《ルブラン》が生き残るとこれが強く、【1-095R】《エナ・クロ》を後ろに、【2-079R】《ウノー》を横に置いてパワー11000でアタックし始めます。相手の方も豊富なバックアップから【1-189S】《ティファ》や【1-021H】《フリオニール》を出してきますが、パワー8000になっている【1-093H】《ヴァニラ》がにらみをきかせ、そのまま勝利することができました。

なお対戦後、相手の方に1ターン目に悩んでいた理由を聞いてみると、こちらのデッキを「ゴルベーザ」かどうか迷い、【1-178R】《リヴァイアサン》をコストにして水属性のバックアップを出すか、実際のプレイのように火属性のバックアップを出すか決めかねていたということでした。
1ターン目の行動から悩めてしまう、これも『FF-TCG』の奥深いところですね!

第3回戦 ゴルベーザ 負け

相手の方は【1-183H】《コスモス》スタート。こちらは初手がかんばしくなく、手札2枚を使って【1-095R】《エナ・クロ》
【2-077L】《ヴィンセント》を【2-097H】《アルシド》からの【1-125R】《オニオンナイト》でブレイクされた返しに【2-096H】《ルブラン》、【2-079R】《ウノー》コンビをそろえ2対2の殴り合いになりますが、ここで相手は【1-107L】《シャントット》でリセット。
こちらがバックアップを並べてターンを返すと【1-135L】《ゴルベーザ》。これは読めていたので予定調和的にこちらも【1-107L】《シャントット》
相手の方は更地に【1-211S】《リグディ》、さらに【1-121C】《赤魔導師》

ここで、相手の手札が1枚、こちらは【2-091C】《ヤン》を出して、主導権を握れるかと思いきや、返しのターンに再び【2-097H】《アルシド》からの【1-125R】《オニオンナイト》をそろえられ、【1-121C】《赤魔導師》》のヘイスト付与を合わせて一気にダメージを受けてしまいます。
あわてて【2-077L】《ヴィンセント》を追加するものの、次々に叩きつけられる低コストフォワード+ヘイスト付与という攻勢をさばききれず、負けてしまいました。

【2-091C】《ヤン》を出したターン、手札が減るのを嫌がってもう1体フォワードを出さなかったことがミスでしたね。相手が万全のリカバリーをかけてくることを予想して、多少リソースを減らしてても強固な戦線を築いておくべきでした。

第4回戦 水雷タッチ火 勝ち

後手の相手が1ターン目に【3-127R】《エーコ》で【3-137R】《スタイナー》をサーチしたので【1-117R】《ヘカトンケイル》でスムーズに展開できないよう妨害しつつ【2-091C】《ヤン》でアタックし始める展開に。
手札3枚使っての【3-137R】《スタイナー》はさすがに損と考えたか、【2-098L】《異才のアモン》を出して殴り合いを挑んできます。
ここで、自分の手札には【1-109R】《セラフィ》。相手のブレイクゾーンにはバックアップがないとパワーが低い【1-144R】《ラムザ》しかフォワードカードがなかったので、プレイして【2-096H】《ルブラン》を回収、全体除去のない相手を数で攻めに行くことにします。

この選択が奏功したのか、殴り合いの末にダメージレースを差し切って勝利することができました。「土単」は速いデッキではありませんが、こういう展開のゲームもあると考えておかなくてはいけませんね。

ここまで4回戦で3回水属性を入れたデッキに当たっています。【2-094H】《リディア》が大活躍しているわけではありませんが、1回戦では大きくアドバンテージを稼いでくれましたし、また「パワー7000のフォワードが環境に多いから【1-093H】《ヴァニラ》もたぶん強い」という予想も、外してはいなかったようでホッとしました。

第5回戦 火水 勝ち

先手1ターン目に【1-119C】《モンク》と【2-091C】《ヤン》でスタート。
さらに【1-095R】《エナ・クロ》を加えて【2-098H】《ルブラン》と一緒にアタックしていきます。これに対して相手は《2-121H》《アーシェ》と【2-014H】《バッシュ》をそろえると、おもむろにスペシャルアビリティ「百鬼・烈日の破邪」!!

これで戦線が崩壊しますが、相手もリソースがない状態。
こちらが再び【2-096H】《ルブラン》、そして【1-093H】《ヴァニラ》で立て直すと、またにらみ合いになり、そこにまたしても「百鬼・烈日の破邪」!!

さらにこちらも【1-107L】《シャントット》でリセットしたため、お互いリセットしてはちょっと攻撃、リセットしてはちょっと攻撃という、じりじりしたゲームに。結果、時間切れで追加ターンに入り、最終ターンを迎えたところで、デッキ枚数が少なく、またダメージが先行していた対戦相手の方が投了されました。

第6回戦 火氷 負け

先攻2ターン目の【2-035H】《シェルク》、【3-149S】《ビビ》で手札破壊を受けるスタート。こちらは【2-091C】《ヤン》+【1-119C】《モンク》をそろえ、さらに【2-094H】《リディア》
これで一度は攻め手をとめますが、相手の方は【1-189S】《ティファ》を追加。パワー8000でアタックしてきます。ひとまず「大地の怒り」で【1-189S】《ティファ》以外をリセットしますが、【3-149S】《ビビ》のアビリティで【2-091C】《ヤン》も倒されます。

相手は【3-154S】《ジタン》、【1-043H】《スノウ》を追加してきたので再び「大地の怒り」、さらに【2-093H】《ラウバーン》で【1-189S】《ティファ》。リセットはできたものの、一時的にリソースが空になったところで相手のアクションは【1-058L】《ラグナ》+【2-019R】《魔人ベリアス》。ヘイストを持った【1-058L】《ラグナ》のアタックが通り、【2-094H】《リディア》がブレイクされます。

これが決め手となって、そのまま押し切られて負けてしまいました。
最初以外にも、ちょこちょこ手札破壊を受けていたんですが、そのタイミングが非常に上手く、次の戦力を残しながら【1-107L】《シャントット》をプレイするということができませんでした。完敗です。

第7回戦 風水 負け

マリガンしてもバックアップがなく、【2-079R】《ウノー》でスタート。
相手の方はバックアップ2枚から【2-065L】《バルフレア》。こちらは【1-093H】《ヴァニラ》を追加してパーティアタックしていきます。
【1-095R】《エナ・クロ》を追加してアタックしていきますが、EXバーストで【2-133R】《不浄王キュクレイン》、さらに手札からもプレイされて【2-079R】《ウノー》がブレイクゾーンへ。

バックアップが引けないなかでも、なんとか【1-112R】《ディリータ》などを加えて戦線を維持していきますが、徐々にバックアップをそろえられ【1-080H】《バッツ》、【1-163L】《ティーダ》といった大型フォワードが並んでしまい勝負あり。

相手の方が殴りあいに付き合ってくれればまだ勝機があったかもしれませんが、「土単」のスピードをしっかり見切られていた感じですね。
最終戦にして、初めて「風水」に当たったので「土単」が本当に「風水」と戦えるのか、ぜひ試してみたかったですが、残念ながら叶いませんでした。

◆後編ではインタビューや今週末のプレリリース情報なども掲載!

というわけで、「Grand Championship」の結果は4勝3敗となりました。
予選を突破することはできませんでしたが、ある程度自分の予想が合っていた部分もあったので、そこはよかったかなと思います。
もうすぐ始まる「MASTERS」後半戦も、がんばっていきたいですね。

さて、この記事はここまでですが、今回は前後編の2部構成でお届けします!
後編では「ファイナルファンタジートレーディングカードゲーム公式生放送(アナログゲームもやるよ!)」 でもおなじみの、スクウェア・エニックスのマリコさんに人となりをたずねるインタビューや、今週末開催されるプレリリースパーティ情報などを掲載するので、こちらもぜひチェックしてください!

後編はこちらです!