『FF-TCG』[From One Card ~1枚のカードから~]スターターセット「ファイナルファンタジー零式」編

スクウェア・エニックスが展開する『FINAL FANTASY Trading Card Game』の公式記事連載。前回は、1枚のカードからデッキを「構築する」テクニックを掲載しましたが、今回はその第2弾として、デッキを「カスタマイズ」するテクニックをご紹介。スターターセット「ファイナルファンタジー零式」をカスタムしたデッキと、それで出場したショップ大会のレポートをお届けします!

◆はじめに

はじめまして。『FF-TCG』プレイヤーの「J(じぇい)」と申します。
私は公式大会の出場経験はあまり多くないのですが、店舗大会には毎週欠かさず出場しておりまして。今回は、スターターセット「ファイナルファンタジー零式」をカスタムしたデッキを作って参加した店舗大会のレポートを交えつつ、店舗大会の魅力をお伝えできたらと思い、筆をとった次第です。
つたない文章ではありますが、お楽しみいただければ幸いです。

◆使用したデッキとカスタマイズの方針

今回使用したデッキは、以下のとおりです。

風雷クラスゼロver1.0

フォワード(23枚) 枚数
1-080H 《バッツ》 3
1-081R 《バッツ》 1
1-067R 《オニオンナイト》 1
3-153S 《エース》 3
3-057R 《セブン》 2
3-051R 《エイト》 2
3-113R 《ナイン》 3
3-109C 《サイス》 2
3-151S 《クイーン》 2
1-142R 《ライトニング》 1
1-144R 《ラムザ》 3
バックアップ(18枚) 枚数
1-088C 《弓使い》 3
1-083H 《マリア》 2
3-062C 《デュース》 2
3-072R 《レム》 2
1-121C 《赤魔道師》 3
2-115C 《忍者》 2
3-097R 《アレシア・アルラシア》 2
1-134R 《ゴルターナ公》 1
1-137R 《シーモア》 1
召喚獣(9枚) 枚数
3-061R 《ディアボロス》 2
2-049H 《アスラ》 1
1-123R 《オーディン》 3
1-124R 《オーディン》 3

スターターセット「ファイナルファンタジー零式」は、そのままでも十分遊べるデッキとなっていますが【ジョブ(クラスゼロ)】を中心とした構築の一方で、それらとのシナジーがない【ジョブ(一般兵)】のフォワードが若干浮いており、その点がやや力不足であるように感じました。
なので【ジョブ(一般兵)】のカードの入れ替えを中心にデッキをカスタムしようと考えました。

デッキのコンセプトとしては【ジョブ(クラスゼロ)】のカードを中心にしつつ、それ以外のパーツを強力なものと交換してデッキパワーの向上をはかる、というものになりますね。
また、初級者の方向けの記事になると聞いていたので、まずはL(レジェンド)を使わず、H(ヒーロー)までのレアリティのカードからベストなデッキ構築を考えます。

◆カスタマイズスタート!

まずはフォワードから調整していきましょう。
【ジョブ(クラスゼロ)】のフォワードたちはなるべく枚数を維持しつつ、高いパワーを持つフォワードを探しました。風からは【1-080H】《バッツ》と【1-067R】《オニオンナイト》、雷からは【1-144R】《ラムザ》を採用しています。特に【1-144R】《ラムザ》はバックアップの枚数に応じてパワーが上がるので、優秀なアタッカーとなってくれそうです。このデッキは豊富なドローなどを背景に物量で攻めるデッキではないので、1枚1枚のカードパワーは重要になります。



【1-081R】《バッツ》も1枚入っていますが、フィールドにいる限りすべてのジョブを得るため、7種類目の【ジョブ(クラスゼロ)】を持つフォワードとして考えました。

続いてバックアップです。
スターターセットのカードは3枚ずつ入っていることが多いですが、ネームド(一般アイコンが付いていない)のキャラクターは同じ名前のカードを複数枚フィールドに出すことができないため、手札に来てもバックアップが展開できない、という状態になりがちです。
そのため、枚数を調整しながら【1-088C】《弓使い》や【2-115C】《忍者》といった一般アイコンが付いている、複数枚並べられるバックアップを採用しています。


元のデッキには【ジョブ(クラスゼロ)】のフォワードを強化する【3-150S】《モーグリ-0組-》がいましたが、今回はそれ以外のフォワードも多く入っているためこれを抜き、代わりに【1-083H】《マリア》を投入することで、ジョブや作品に関係なくフォワードを強化できるようにしました。先ほども言いましたが、フォワードによるタフな戦線作りを意識した配分ですね。

「Opus III」が発売され【ジョブ(クラスゼロ)】のカードが充実したら1コスト軽い【3-150S】《モーグリ-0組-》に戻すか、欲張るなら2枚と1枚というように散らして両方投入してもいいかもしれません。

最後に召喚獣の調整をします。
【3-061R】《ディアボロス》はバックアップを並べ、フォワードもたくさん展開するこのデッキでは非常に強力なのでこのまま採用し、場面に応じて能力を使いわけられる【2-049H】《アスラ》を1枚採用しています。奇襲的にフォワードをアクティブにしてブロックしたり、【3-057R】《セブン》や【3-109C】《サイス》のスペシャルアビリティが使いやすくなったり、という効果が期待できます。

また、雷属性の代名詞ともいえる召喚獣【1-123R】《オーディン》と【1-124R】《オーディン》をそれぞれ加え、計9枚採用しています。


◆カスタムしたデッキを持って、いざ出陣!

デッキを組んだ時点での印象は、フォワードのパワーは全体的に高く、ブレイクやダルにするなどの除去を合わせてダメージを通していく、ストレートなデッキになったと思います。
ではさっそく、このデッキで店舗大会に出場してみましょう!

日時は、7月1日。当日は名古屋で「Grand Championship」の予選が開催されていましたが、それでも今回は8名が参加されました。

1戦目
vs 氷雷 勝ち

氷雷は、ダルと除去が得意な色の組み合わせです。
【1-121C】《赤魔道師》でフォワードにヘイストを付与することもできるので、最後の1ダメージをもぎとる力もあり、油断はできません。

試合では、序盤からスムーズにバックアップを場に出すことができたので、コストの軽い【3-057R】《セブン》と【3-151S】《クイーン》を場に出し、【1-121C】《赤魔道師》でヘイストを与えて対戦相手にダメージを与えていきます。

対戦相手も【1-195S】《セラ》を場に出し、手札を1枚捨てさせてきますが、彼女のアタックで受けたダメージで【3-061R】《ディアボロス》のEXバーストが発動し、そのまま除去につながるなど、こちらに有利な流れになりました。
また、対戦相手のフィールドには【2-047L】《リノア》も出てきましたが、早い段階で【1-123R】《オーディン》を召喚してブレイクし、フォワードをすべてダルにするというアビリティを、最後の1ダメージをめぐる攻防のような、有効な場面で使わせなかったこともポイントでした。いずれアビリティを使われてしまうなら、被害の少ないうちがいいですね。

さらに相手を押し込むべく【3-153S】《エース》を出し、彼のオートアビリティで【3-113R】《ナイン》も出すも、【2-026L】《ヴェイン》が現れ【3-153S】《エース》はダルにされてしまいます。しかし、アタックしたときにパワーが上がる【3-113R】《ナイン》と、自分の【ジョブ(クラスゼロ)】のフォワードに“コスト4以上のフォワードにはブロックされない”アビリティを与える【3-057R】《セブン》、そして召喚獣【1-123R】《オーディン》の力もあり、最終的には相手のブロッカーを突破して勝つことができました。

2戦目
vs 水単 負け

水は手札に戻す効果やドローが強い色です。また、デッキ内のカードが一色のみでまとまっているので、“属性が合わず、手札のカードを場に出すことができない”という状況がほとんどない、というメリットがあります。

対戦相手は初手にバックアップがなかったようで、手札3枚をコストに【3-137R】《スタイナー》を出し、そこから【3-154S】《ジタン》をサーチし、そのままプレイ。1ターン目からフォワードが2体並ぶ急戦をしかけてきました。
それに対してこちらはバックアップを2枚並べ、ダメージを受けつつも次のターンでオーディンを召喚して【3-154S】《ジタン》をブレイクしますが、【3-137R】《スタイナー》のアタックを複数回受けてしまいます。
こちらは続けて【3-113R】《ナイン》をプレイしましたが、対戦相手は続けて【2-129L】《セシル》をプレイ!

【カテゴリ:IX】のキャラクターも追加され、パワーが8000になっている【3-137R】《スタイナー》と【3-113R】《ナイン》が相討ちしましたが【2-129L】《セシル》を対処できず、ダメージを6点まで受けてしまいました。

ダメージを受ける間にバックアップを5枚場に出すことができたので【1-124R】《オーディン》を召喚して【2-129L】】《セシル》をブレイク!さらに【1-081R】《バッツ》を場に出して反撃に出ますが、与えた1点目で無情にもめくれる【1-178R】《リヴァイアサン》

なんとか戦力の再展開をはかりますが、ここに【1-158H】《暗闇の雲》を合わせられてフォワードを失い、さらに【2-125C】《かりそめの魔女》で唯一残ったフォワードも凍結させられ、非常に苦しい展開に。それでも【3-153S】《エース》から【3-113R】《ナイン》を出して抵抗しますが、最後は召喚獣【1-178R】《リヴァイアサン》と【3-141C】《モグ[IX]》のアビリティで2枚とも手札に戻され、7点目が通って負けてしまいました。

3戦目
vs 水雷 勝ち

水と雷は相性がよく、手札に戻す効果やブレイクする除去のほか、【1-134R】《ゴルターナ公》や【3-137R】《スタイナー》など、カードをサーチできるカードが多く入っており、スムーズに戦力を展開できる動きが魅力の組み合わせです。

【3-137R】《スタイナー》から【3-154S】《ジタン》と展開されますが、こちらも【3-153S】《エース》から【3-113R】《ナイン》と展開し、対戦相手は攻撃をためらいます。その間に【3-057R】《セブン》を引き、コスト5の【3-137R】《スタイナー》にブロックさせず、対戦相手にダメージを与えていきました。

こちらの【3-113R】《ナイン》に対し、対戦相手は【2-097H】《アルシド》をプレイ、オートアビリティで【1-211S】《リグディ》を場に出されますが、【3-057R】《セブン》のスペシャルアビリティを使って【1-211S】《リグディ》のオートアビリティを無効にし、【3-113R】《ナイン》を守ることができました。

ゲームを通じて、全体的に相手の方は【カテゴリ:TYPE 0】のカードたちを見慣れていなかったようで、【3-057R】《セブン》の、ブロックを阻害するアビリティがほかの【ジョブ(クラスゼロ)】のフォワードたちにも適用されることを知らないようでした。
アクティブ状態の【3-137R】《スタイナー》と【2-097H】《アルシド》を横目に、【3-113R】《ナイン》たちでアタックをしかけ、一気にダメージを与えて勝つことができました。

◆ショップ大会を振り返って、さらにデッキを調整!

というわけで、私の成績は2勝1敗、優勝は2戦目で対戦した水単の方でした。
参加者は、土単や風水、火水雷など多彩なデッキを使っていましたが、風と雷の組み合わせは私だけでした。

大会を通しての改善案としては、以下のようなものが挙げられます。
まず、パワーの高さで選んだ【1-080H】《バッツ》は、アクティブにできる風属性のキャラクターが思ったより少なく、その後の展開にあまり貢献できていませんでした。同名カードの【1-081R】《バッツ》が場にいるせいでプレイできない、という状況もありました。これはスペシャルアビリティを持たないカードをたくさん入れてしまった弊害ですね。ここは要調整ポイントです。
また、6コストという重さにくわえて、光属性なのでコストとして使えない【3-153S】《エース》が、手札にたまってしまったこともありました。スターターには3枚入っていましたが、実際の運用としては2枚でもいいかもしれません。

続いて、このデッキの良かった点ですが、【ジョブ(クラスゼロ)】のフォワードたちが並び、一気に攻め込むシーンはとても見応えがありました。また、すべてのジョブを持つ【1-081R】《バッツ》をはじめ、スペシャルアビリティを持つ【3-109C】《サイス》、【3-057R】《セブン》、【3-062C】《デュース》といったコスト2のキャラクターたちをブレイクゾーンから手札に加えることができる召喚獣【2-049H】《アスラ》など【ジョブ(クラスゼロ)】のカードを活かすというコンセプトに沿ったデッキの改良ができたと思います。

最後に、大会での経験をもとに、組み替えたデッキを紹介しておきましょう。

風雷クラスゼロver2.0

フォワード(23枚) 枚数
1-081R 《バッツ》 3
1-067R 《オニオンナイト》 1
3-153S 《エース》 2
3-057R 《セブン》 3
3-051R 《エイト》 3
3-113R 《ナイン》 3
3-109C 《サイス》 3
3-151S 《クイーン》 3
1-141L 《ライトニング》 2
バックアップ(18枚) 枚数
1-088C 《弓使い》 2
1-083H 《マリア》 2
2-062C 《ノノ》 1
3-062C 《デュース》 2
3-072R 《レム》 1
3-150S 《モーグリ -0組-》 1
1-121C 《赤魔道師》 3
1-137R 《シーモア》 1
2-102C 《ガーディ》 2
3-097R 《アレシア・アルラシア》 2
召喚獣(9枚) 枚数
3-061R 《ディアボロス》 3
2-049H 《アスラ》 1
1-123R 《オーディン》 3
1-124R 《オーディン》 2

まずは、スターターセットに2枚入っていたカードを3枚にします。
また、パワーが高く【1-123R】《オーディン》をサーチできる【1-141L】《ライトニング》を追加のアタッカーとして採用しました。

バックアップは、コスト4の【3-072R】《レム》がやや重く感じたため減量することに。代わりに【3-150S】《モーグリ-0組-》と【1-081R】《バッツ》が【ジョブ(モーグリ)】であることに着目し、【3-072R】《レム》と【1-088C】《弓使い》を1枚ずつ抜いて【2-062C】《ノノ》と【2-102C】《ガーディ》を入れています。デッキの自由枠というか、こういう遊びの要素も、意外な場面で活躍することがあるのであなどれません。

召喚獣は、枚数の調整のみで大きな変更点はありません。
このデッキのコンセプトなら【3-061R】《ディアボロス》を実質コスト0で使えるので除去と展開を同時に行ない、相手にプレッシャーをかけられるので3枚に増量しました。

◆デッキは組み得、大会は出得!

というわけで、個人的な考えながらスターターデッキ「ファイナルファンタジー零式」のカスタマイズ案と、大会参加レポートをお届けしました。

『FF-TCG』のすべてのカードには、デッキに採用できる可能性があります。
そして、スターターをさらに強化したり、別の色と組み合わせてみたり、プレイヤーの発想の数だけデッキがあります。

店舗大会は、対戦を通じてデッキ構築やプレイングを見直し、新しいデッキやコンボのアイディアが浮ぶ、いい機会です。
上の改良案にある【ジョブ(モーグリ)】のギミックも、大会に参加された方々とお話をしているときに気付けた、貴重なアイディアの1つでした。
デッキは組むだけではなく、対戦することではじめて見えてくるものもあるので、公式サイトで大会情報を確認し、ぜひお店の公認大会に参加してみてください。

では、また次の機会にお会いしましょう(´∀`*)ウフフ