【FFTCG】World Championship 2019レポート#1 日本代表の戦いぶりを追う!

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週は11月23日、24日にかけて開催された「World Championship 2019」の模様をお伝えします。

皆さん、こんにちは。カードゲーマー編集部の編集(川)です。

11月23日、24日の2日間にわたってアメリカのロサンゼルスにて『FFTCG』「World Championship 2019(以下、世界選手権)」が開催されました。

『FFTCG』公式記事連載では、今週から数回にわたって世界選手権のレポートをお届けしていきます。
初回となる今回は世界選手権の簡単なレポートをお届けし、来週からは日本代表選手たちに焦点をあてた記事をお届けしていきます。

国内ではこれから第三期「名人戦」の予選が各地で開催されますが、そこで行なわれる「Opus X」環境のメタゲーム予想にも役立つ記事になると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、カードゲーマー編集部のTwitterアカウント(@cardgamer_hj)では近日中に世界選手権の開催を記念したRTキャンペーンも行ないます。「Opus X」のプレミアムカードをプレゼントしますので、こちらもお楽しみに!


◆世界選手権前夜まで

今年の世界選手権は各国から集まった31名の代表選手によるトーナメントとなりました(権利者は32名でしたが、直前の負傷による欠場者が1名いらっしゃいました)。日本からはハリガイ(針谷)さん、Kurosawa(薮内)さん、サトツ(島田)さん、むむ(村上)さん、ダンカン(山田)さんの5名が出場。ダンカンさんは現在のところ皆勤賞となる三度目の出場、ハリガイさんとKurosawaさんは二度目、サトツさんとむむさんは初出場となります。

▲日本代表の皆さん。左からハリガイさん、ダンカンさん、Kurosawaさん、サトツさん、むむさん。

会場はロサンゼルス国際空港からほど近いホテルで、空港からは直接バスが出ているなど利便性の高い場所にありました。

ただ、そのぶん市街地からは少し離れており、昨年のロンドンでの世界選手権に比べると観光に出る選手は少なく、会場に着いた翌日にデッキリストを提出したあとは、大会開始までホテル内でデッキの最終調整やブースタードラフトなどに励んでいる姿が多く見られました。

本戦の前日にはレセプションが開催され、交流会を兼ねた『FF』トリビアクイズ大会と食事会が行なわれました。

▲クイズ大会で出題された問題がこちら。皆さんは何問解けそうですか?

トリビアクイズは『FFTCG』のカードに関係するものから、各キャラクターの年齢を順番に並べ替えるもの、なかには《カイン》が『FF IV』のストーリー内でパーティーから離脱した回数を問うものなどユニークな設問もあり、選手たちは大いに頭を悩ませつつ意見を出し合って回答していました。

全8チームにわかれてのこのクイズ大会で優勝したのは2017年(第1回)世界チャンピオンのベルギー代表Tobi選手のいるチームで、全12問中8問に正答していました。

その後はホテルから少し離れたところにあるエスニック料理のレストランにて食事会が行なわれ、選手たちは翌日以降のトーナメントに向けた英気を養っていました。
ここでは突発的に選手たちとスタッフを巻き込んでの腕相撲大会が開かれるなど、真剣勝負を前にしても選手たちが非常になごやかな雰囲気で交流していたのが印象的でした。

◆世界選手権1日目

世界選手権の1日目は、2デッキ制の構築戦5回戦が行なわれました。
いわゆる「BO3」と呼ばれる2本先取の形式で、勝ったデッキはその対戦では使えなくなるため、持ってきた両方のデッキで勝利しなくてはならないという構築力が試されるフォーマットです。

今回は「Opus X」発売から約2週間での世界選手権開催ということもあり、新環境にどのようなデッキを持ち込むのか、話を聞くかぎり日本代表プレイヤーたちは大いに悩んでいました。
デッキ提出は前日(21日)の午前10時だったのですが、なかには朝7時までデッキを決めかねていたプレイヤーもいたようです。

結果として日本代表選手の多くは、先日の「名人戦」関東地区予選でもメタゲームの中心となっていた『WOFF』デッキを1つ選び、もう1つを独自のデッキにするやり方を取っていました。

日本代表のデッキ選択
ハリガイさん:WOFF/ウネコントロール
Kurosawaさん:水風/土雷タッチ氷ランペール
サトツさん:WOFF/風単
むむさん:WOFF/ウネコントロール
ダンカンさん:WOFF/土風コントロール

1日目で気を吐いたのはハリガイさんで、なんと4回戦までを全勝。上位16名までで足切りとなる2日目への進出を早々に決めていました。最終戦こそ昨年の世界チャンピオンであるAlex選手に負けてしまいましたが、昨年の3位入賞に続いて今年も大活躍が期待されるスタートとなりました。

▲フィーチャーマッチでプレイするハリガイさん。

そのほかの日本代表メンバーは4回戦までで全員が2勝2敗という、ある意味で崖っぷち、逆に言えば全員に2日目進出の可能性があるという、非常に緊張感のある展開に。
第5回戦ではKurosawaさんとむむさんが直接対決となり、双方が1ゲーム取り合う熾烈な戦いの末にKurosawaさんが勝利、2日目進出を決めました。ダンカンさんも最終戦を勝利し2日目に進出。むむさん、サトツさんは最終成績2勝3敗で残念ながら初日敗退となりました。

▲対戦中のサトツさんとむむさん。惜しくも負けてしまったものの、世界の強豪との戦いは大いに刺激となったようで「来年も絶対に参加します!」と決意を新たにしていました。

◆世界選手権2日目

世界選手権の2日目は昨日の上位16名が2つのテーブルにわかれての「Opus X」ブースタードラフト戦3回戦を行ない、決勝ラウンド進出となるベスト8を決めます。
前日3勝2敗のプレイヤーでもここで全勝すればベスト8進出確定となるため、全員にまだチャンスが残っています。

日本代表はハリガイさんとKurosawaさんが1番卓、ダンカンさんが2番卓となりました。

ここで強力なデッキを組み上げたのがダンカンさん。
【10-127H】《シトラ》をなんと3枚(!)もピックし、これに【10-068C】《クーシー》を組みあわせた強力なカード再利用エンジンを持った土雷デッキを構築。
脇を固めるカードも【10-080H】《バッシュ》や【10-098L】《フォルサノス》など、強力なものが多く投入されています。

また、本人によると「Opus X」ドラフトのテクニックということですが【10-103R】《ラムザ》を複数枚ピックしていたのも印象的でした。

「Opus X」ドラフトでは【10-103R】《ラムザ》のオートアビリティで手札に戻したり出したりできるカードが存在しないため、単体では5コストでパワー7000という非力な存在です。
そのためピックされにくいのですが、それを逆手に取って複数枚このカードを集めることができれば、貴重な全体除去のスペシャルアビリティを使えるということでした。

これは事前に日本代表プレイヤーでブースタードラフトの練習をしたときにむむさんが使っていたテクニックらしく、ダンカンさんは「技術を吸収しておいてよかった(笑)」と語っていました。

▲ドラフトラウンドの第3回戦。決勝ラウンド進出をかけて対戦に臨むダンカンさん。

そんなダンカンさんは危なげなく2番卓を勝ち上がり3連勝! 見事ベスト8進出を決めました。
そして、1番卓ではKurosawaさんも全勝、ハリガイさんが1-2のスコアでそれぞれベスト8進出を決め、今大会では決勝ラウンドに日本代表3人が残る結果となりました。

そして始まった決勝ラウンド。
準々決勝では1位と8位、2位と7位というようにプレイヤーがマッチングされ、3位通過のKurosawaさんと6位通過のハリガイさんが当たることになりました。
どちらかは負けてしまいますが、どちらかは確実に準決勝に進めるということで、非常に悩ましい展開ですね。
ダンカンさんは反対側のトーナメントに組み込まれたため、決勝戦まで日本人対決はありません。

準々決勝の日本人対決を制したのはKurosawaさんでした。
海外プレイヤーとの調整で作り上げた水風/土雷の2デッキは非常にデッキパワーが高く、一見押し込まれている盤面からもいつの間にか逆転しているという力強さで、見事準決勝進出となりました。
残念ながら負けてしまったハリガイさんは「ウネコントロールデッキの作りこみが甘かった。まだ人類には早すぎるデッキだった」とここまでの戦いを振り返っていました。

一方、ダンカンさんも勝ち上がり準決勝に進出。ダンカンさんの土風コントロールは日本のプレイヤーからアイデアを得たというもので、3枚投入された【4-083L】《シャントット》が特徴的です。
「対戦で出すたびにテキストを確認されたよ。でも今の環境では確かにこのカードは強い。『WOFF』デッキにはまず負けない」とのことでした。

準決勝ではKurosawaさんはJoshua Freeman-Birch選手とマッチング。この2人は同じ調整チームであり、持ち込んだデッキも2デッキ100枚中99枚が同じということでした。
ミラーマッチかつ強豪プレイヤーどうしの対戦ということもあり、混戦が予想されましたが、実際の対戦ではKurosawaさんが終始盤面をコントロールする展開で2-0のストレート勝ち。

以前のインタビューで(準優勝に終わった2017年の世界選手権での)“忘れ物を取りに行く”とおっしゃっていましたが、その“忘れ物”まであと一歩となりました。

また、フィーチャーテーブルで対戦が配信されたダンカンさんも準決勝を勝利。今年の世界選手権の決勝戦は日本代表対決となり、また、世界選手権のトロフィーが初めて日本にもたらされることも確実となりました。

そして決勝戦。対戦の様子は日本語でも配信されたので、ここでは簡潔にお伝えします。激闘の様子はぜひ動画でもご覧ください。

第1ゲームはダンカンさんの土風コントロールが火を噴き、【10-078H】《ドーガ》のアビリティが大活躍する展開に。
Kurosawaさんのバックアップを破壊しつくしゲームを掌握しました。

第2ゲームも先攻のKurosawaさんが1ターン目【5-091H】《星の神子》という動き出しに対して『WOFF』デッキのダンカンさんは早々にバックアップを4枚展開するロケットスタート。
このままコストが下がった【10-020L】《レェン》と『WOFF』のフォワードが蹂躙して終わりかと思われましたが、ここからなかなか攻撃的なフォワードを引き込めずブレーキのかかってしまったダンカンさんにKurosawaさんが追い付いてゲームを取り返し、1-1で最終戦をむかえます。

第3ゲームはダンカンさんの『WOFF』対、Kurosawaさんの水風。
戦いはダンカンさんが序盤から押し込んでいきますが、【9-014L】《ネール》が1枚もフォワードをめくらないなど不運な展開もあり、じょじょにKurosawaさんが落ち着いて盤面をコントロールしていきます。

ダメージ5点目、6点目のところで連続してダンカンさんのEXバーストが発動し、逆転もあるかと思われましたが、それによって増えた手札を有効に使う手段がなく、そのままKurosawaさんがギリギリの戦いを制し、今年の世界チャンピオンに輝きました!

▲公約通り“忘れ物”を持って帰ることとなったKurosawaさん。あらためて、おめでとうございます!

◆来年はシンガポールでの開催が決定!

日本人プレイヤーのワンツーフィニッシュという快挙で終わった今年の世界選手権。
閉会式では2020年の世界選手権の開催地がシンガポールであることが発表されました。
日本からもほど近く、また観光地としても非常に楽しい国で、特に食べ物の豊富さは特筆ものだということです。この記事を読んでいただいているプレイヤーの皆さんもぜひ、日本代表入りを目指してみてはいかがでしょうか。

取材に帯同していて何より思ったのは、世界選手権に来ている選手たちが本当に楽しそうに『FFTCG』をプレイしているなということです。
すでに3年、世界選手権の取材をしていますが日本代表プレイヤーにお話をうかがうと絶対に「来年も来たい!」と口をそろえて言っています。
それほど素晴らしい体験が、この世界選手権にはあるのだと思います。

来年もさまざまなかたちで日本代表プレイヤーが選出されていきますが、ぜひより多くの方に日本代表入りを目指してがんばっていただき、そして最高の世界選手権という体験をしてもらえたら、と思います。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

▲大会後、プレイヤーとスタッフの皆さん全員がサインを書き込んだ、今大会のメインビジュアルとなっていたクラウドのボード。今大会を記念するメモリアルなアイテムとなりました。
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