【FFTCG】たるほの隙あらばデッキ語り ~「CRYSTAL CUP LIGHTNING」ベスト8の「土単」編~

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今週はたるほさんが「CRYSTAL CUP LIGHTNING」でベスト8入賞を果たした「土単」のデッキガイドをお届けします。

◆はじめに
こんにちは! 『FFTCG』プレイヤーのたるほです。
先日開催された「MASTERS 2019 FINAL -日本選手権-」をもって「MASTERS2019」シーズンが終わり「Opus IX」環境が幕を閉じました。

4月から始まった今シーズンは、僕にとってこれまででもっとも『FFTCG』に真剣に取り組んだシーズンになりました。
最終的に日本代表選手になることはできませんでしたが、「CRYSTAL CUP」では2度のベスト8進出、そして「MASTERS FINAL」出場と、今まで以上の結果に結びついたシーズンとなりました。

今回は僕が「Opus IX」環境で使用したデッキのなかから、9月の「CRYSTAL CUP LIGHTNING」でベスト8に残ったときの「土単」デッキを紹介したいと思います。

11月8日(金)に発売される「Opus X ~いにしえの戦士たち~」以降の環境でも「土単」は有力なデッキになると思うので、新環境に向けての復習として読んでいただければうれしいです。

それでは、さっそく始めていきましょう。

 

◆「土単」の進化行程
今回語りたいデッキはこちらです。

土単“崑崙八象脚”(CRYSTAL CUP LIGHTNING:ベスト8)

カード番号 カード名 枚数
フォワード(23枚)
【8-068L】 《アーデン》 2
【7-080H】 《プリッシュ》 3
【3-092L】 《プリッシュ》 3
【4-092H】 《プリッシュ》 3
【10-135S】 《ケフカ》 3
【9-063L】 《ガブラス》 3
【1-093H】 《ヴァニラ》 2
【8-071H】 《アンデッドセレブ》 1
【7-064R】 《アシュマダイ》 1
【7-129H】 《ガルデス》 2
バックアップ(17枚)
【2-093H】 《ラウバーン》 3
【6-064H】 《アジドマルジド》 3
【7-069C】 《コルカ》 2
【9-067C】 《シド・ガーロンド》 2
【5-082C】 《採掘師》 2
【6-067R】 《エピタフ》 1
【2-095R】 《リディア》 1
【9-071C】 《バンガ族》 3
モンスター(1枚)
【8-080C】 《プーマ夜光》 1
召喚獣(9枚)
【6-075R】 《タイタン》 3
【4-093R】 《ヘカトンケイル》 3
【1-117R】 《ヘカトンケイル》 3

「Opus IX」と「対戦デッキ 魔法対剣」の登場で強化された《プリッシュ》を主役にした「土単」、名付けて「プリッシュ:崑崙八象脚(以下、土単プリッシュ)」です。

そうです。前回に引き続き、再び「土単」です。
最近は大会などに参加しても対戦相手の方に「たるほ君ってことは、デッキは『土単』かな?」と言われることも多くなってきました。
今シーズンは「土単」を使い続けていたので、こういう風に覚えてもらえるのはうれしいですね。

このデッキのひな型になったのは言うまでもなく「MASTERS2019」諏訪大会で使用した「エピソード:アーデン(以下、土単アーデン)」です。

僕は「MASTERS2019」諏訪大会以降、タイ・バンコクで開催された「CRYSTAL CUP WATER」までの長い間【8-068L】《アーデン》imageを軸にした「土単アーデン」を使い続けていましたが、そのなかで「土単アーデン」には課題があることに気付きました。

それは“「土単アーデン」は【8-068L】《アーデン》imageの除去耐性を活かして【4-093R】《ヘカトンケイル》imageなどで効率的に相手のフォワードを除去する”というコンセプトだったため、【8-068L】《アーデン》imageを早期に登場させられないゲームでは【1-093H】《ヴァニラ》imageなどで戦線を維持する必要があり、相手のパワー8000以上のフォワードに押し切られてしまうことがあるというものです。

特に「Opus IX」環境に入ってからは「火氷」や「風単」が活躍していたこともあり、【8-068L】《アーデン》imageが出るまでに戦力展開の面で決定的な差がついてしまうゲームも珍しくありませんでした。

また「火氷」と「風単」はどちらも詰めの手段としてダル、凍結によるブロッカー排除ができるため、自然なかたちで【8-068L】《アーデン》imageを対策できるデッキでした。

この課題を克服するためのカードを探していくうちにある1枚のカードに出会います。
それが【7-080H】《プリッシュ》imageでした。

これまでの「土単アーデン」の構築では、フォワード+召喚獣のようにカードの組みあわせで除去をしていたためアクションが大ぶりになりやすく、そこが隙になっていましたが【7-080H】《プリッシュ》imageは1枚で信頼性の高い除去ができます。そこに着目して、【7-080H】《プリッシュ》imageを活かすかたちで構築を進めていったのがこの「土単アーデン」あらため「土単プリッシュ」です。

【7-080H】《プリッシュ》imageは強力な除去アビリティに加えて、ブレイクゾーンの《プリッシュ》の分だけコストが軽くなるアビリティを持っています。元のコストは9とかなり重いこともあり、なるべく多くの《プリッシュ》を採用する必要がありました。

【3-092L】《プリッシュ》imageと【4-092H】《プリッシュ》imageはどちらもブレイクゾーンに置かれたときに手札から【カード名(プリッシュ)】をフィールドに出せるので、元のコストを無視して【7-080H】《プリッシュ》imageを運用できますし、【1-093H】《ヴァニラ》imageと同じく【8-068L】《アーデン》imageをブレイクゾーンに置かせるタイプの除去から守ってくれます。

そのためこのデッキでは3種9枚の《プリッシュ》を採用することにしました。

さて、《プリッシュ》を活躍させる構築を目指すとき、どうやって手札(もしくはブレイクゾーン)に《プリッシュ》を集めるかというのがカギになります。
そのため、このデッキは大部分が《プリッシュ》を集めるためのカードで構成されています。

もともと採用されていた【7-129H】《ガルデス》image+【8-080C】《プーマ夜光》imageによるフォワード回収のコンボや定番カードである【5-082C】《採掘師》imageはもちろん、「Opus IX」ではさらに【9-063L】《ガブラス》image、【9-067C】《シド・ガーロンド》image、【9-071C】《バンガ族》imageといった優秀なカードが追加されていたのでこれらもあわせて投入しました。

【9-063L】《ガブラス》imageはコスト5以上のフォワードをサーチできるので【3-092L】《プリッシュ》imageや【7-080H】《プリッシュ》imageを手札に集めることができます。EXバーストで発動した場合、【3-092L】《プリッシュ》imageが出ていればスペシャルアビリティの「崑崙八象脚」を使うこともできるため、単純に手札を1枚増やす以上の活躍をしてくれます。

また、除去手段が【4-093R】《ヘカトンケイル》imageのような、フィールドにいるフォワードに依存しがちになる土属性にとっては、序盤から展開しやすいフォワードであることも長所となります。

【9-067C】《シド・ガーロンド》imageは土属性のキャラクターを手札に加えられるので《プリッシュ》を探せるのはもちろん、序盤はバックアップを確保することでデッキの安定感を高められます。

また「土単」には強力なバックアップが多く、【カテゴリ(XIV)】のキャラクターである【2-093H】《ラウバーン》imageや【5-082C】《採掘師》imageなどを回収できるので、ゲーム終盤に引いても活躍します。

【9-071C】《バンガ族》imageも軽いコストで運用しやすく、手札の不要なカードとブレイクゾーンの《プリッシュ》を交換するような役目を果たします。

このように、「Opus VIII」で誕生した「土単アーデン」は「Opus IX」で「土単プリッシュ」に進化していったのですが、9月に発売された「対戦デッキ 魔法対剣」で「土単プリッシュ」のマスターピースとなるカードが登場しました。

それが【10-135S】《ケフカ》です。

アタック時のオートアビリティで自分と相手のフォワードをブレイクするこのカードは、ブレイクされない【8-068L】《アーデン》imageとブレイクされても損をしにくいフォワードで構成されたこのデッキとは抜群の相性を誇ります。

【8-068L】《アーデン》imageや【1-093H】《ヴァニラ》imageと組みあわせることでアビリティをほぼデメリットなしで使えますし、【7-129H】《ガルデス》imageや【8-071H】《アンデッドセレブ》imageなどを能動的にブレイクゾーンに送ることもできます。

【3-092L】《プリッシュ》imageや【4-092H】《プリッシュ》imageをアビリティでブレイクしつつ【7-080H】《プリッシュ》imageを出せば、相手のフォワードを2体除去しつつ、こちらは【10-135S】《ケフカ》のアビリティで2枚カードを引けます。

さらに、相手が【8-068L】《アーデン》imageをブロックに参加させなくするためにキャラクターをブレイクゾーンに置いたときも【10-135S】《ケフカ》でカードを引ける、フィールドにいなくても相手が【8-068L】《アーデン》imageを無力化してアタックしてきたときにこれがめくれればドローしつつ除去ができるなど、デッキ全体と相性がよく「土単プリッシュ」を大きく強化してくれました。

 

◆「土単プリッシュ」のプレイングとカスタマイズ案

ここからは「土単プリッシュ」のプレイングについて簡単に解説したいと思います。

このデッキを使うときにまず目指すのは、先ほども言ったとおり

《プリッシュ》を手札およびブレイクゾーンに集めること

です。

【7-080H】《プリッシュ》imageを最大限活用するのがこのデッキのメインコンセプトなので、ゲームの序盤は積極的に《プリッシュ》をブレイクゾーンに送って、なるべく【7-080H】《プリッシュ》imageのコストを軽くしていきます。

【7-069C】《コルカ》imageなどでサーチするカードに悩んだときは【4-092H】《プリッシュ》imageをサーチし、コストに消費してブレイクゾーンの《プリッシュ》の枚数を増やしていくといいでしょう。

手札に残す《プリッシュ》の優先度は

【7-080H】《プリッシュ》image>【3-092L】《プリッシュ》image>【4-092H】《プリッシュ》image

の順で残していくのが自分のなかでのセオリーです。

【4-092H】《プリッシュ》imageのほうがコストが軽いから取っておこう、と考える必要はあまりありません。
最終的にブレイクゾーンにたくさん《プリッシュ》が集まり【7-080H】《プリッシュ》imageを軽いコストで出せるようになれば、あとは【7-080H】《プリッシュ》imageを倒されても回収してどんどん出していけばOKです。

また、【10-135S】《ケフカ》はアタックするターンまで温存しておくのがオススメです。
【10-135S】《ケフカ》は一般的な4コストフォワードよりパワーが1000低く、出たときに何らかのアビリティが発動するカードでもないため、倒されやすく損しやすいという弱点があります。

この弱点をなるべくケアするため、フォワードでアタックするターンにプレイすることで、まず相手のブロックに対してプレッシャーをかけてもらい、ドローのアビリティ誘発のチャンスを狙いましょう。余裕があれば【4-093R】《ヘカトンケイル》imageなどを構えながらプレイするようにしましょう。

それ以外は、いつ【6-075R】《タイタン》imageや【2-093H】《ラウバーン》imageがめくれてもいいようにしっかりとフィールドにフォワードを残すようにするといった、既存の「土単」のプレイングと大きく変わるところはありません。

今回紹介した「土単プリッシュ」ですが、もちろんこれが完成形というわけではありません。
カスタマイズ次第で新たな可能性が見えてきます。

例えば【9-076H】《ラーケイクス》imageはモンスターを回収できるので【8-080C】《プーマ夜光》imageをより活かしやすくなります。
一見すると【7-129H】《ガルデス》imageと仕事がかぶっているようにも見えますが、フィールドに出てすぐ効果があることと、光、闇属性のカードの選択肢を広げられる点がメリットになりえます。

新たに採用する光、闇属性の候補としては、前々回のインタビュー記事で「CRYSTAL CUP LIGHTNING」優勝のしらたまさんが「アグリアス」デッキの防御的なプランとして【8-136L】《常闇のヴェリアス》imageを採用していたように、このデッキでも後攻になったときの保険として【8-136L】《常闇のヴェリアス》imageは検討する価値があると思います。

【9-063L】《ガブラス》imageでのサーチも可能で、【10-135S】《ケフカ》でブレイクしても旨みがあるなど、シナジーを発揮しつつ単体でもしっかり仕事をしてくれます。

また、《プリッシュ》にこだわらず【カテゴリ(XV)】のシナジーを取り入れてみるのもいいでしょう。
【8-072R】《イグニス》imageと【8-074H】《グラディオラス》imageのスペシャルアビリティは破格の性能を持っているので、カードを集めることが得意な「土単」にはぴったりですね。

◆おわりに
今回は僕が「Opus IX」環境で愛用していた「土単プリッシュ」について語らせてもらいました。
これまで「土単アーデン」、「土単プリッシュ」とかたちの異なる「土単」を紹介してきましたが、「MASTERS2019」金沢大会では、くらぽんさんがまったく別のかたちの「土単」で優勝しています。

「土単」は人によって個性を出しやすいデッキだと思うので、ぜひ一度組んでみてほしいと思います。

「Opus X」で新たなカードが加わって今後「土単」がどんな進化を遂げていくのか、そして次回の「隙あらばデッキ語り」では何を語るのか、いまから楽しみにしてもらえれば幸いです。

それではまた次回の記事でお会いしましょう!