あのボードゲームデザイナーと直接対決が実現!『有野課長のLove Letter』プレイレポート&ミニインタビュー

――某日のホビージャパン社内ラウンジ

 

編集(國)「暇だなー……(勤務中だけど)。暇だなー……(仕事残ってるけど)」

営業関根「編集(國)さん、ちょうどいいところで暇そうにしてますね!」

編集(國)「“営業部きってのボードゲーム女傑”の関根さんだ! どうしたんですか?」

 

関根「(突然覚えのない異名を付けられた……。)新しいゲームを手に入れたんで、一緒に遊ぶプレイヤーを集めてるんです。編集(國)さんもどうですか?」

編集(國)「おお! これは2月8日に発売された「ゲームセンターCX」(以下「GCCX」)の番組公式カードゲーム『有野課長のLove Letter』ですね! 世界的大ヒットを記録したボードゲーム『ラブレター』をベースに、オリジナルルールの追加や番組グッズでおなじみのニーナ マツモトさんのイラストで番組の雰囲気が楽しめる、あの『有野課長のLove Letter』をゲットするなんて、さすが関根さんですね! よっ、女傑!」

 

関根「不自然に詳しい!」

 

編集(國)「もちろん参加しますが、せっかくだし最大人数の4人で遊びたいですよね……。そうだ! いいプランが浮かんだんで、明日あらためてラウンジに集って遊びませんか? プレイヤーは自分が集めておきますよ!」

 

関根「やったー! ありがとうございます!」

 

 

 

――翌日

 

関根「(編集(國)さん、一体誰を呼んだんだろう……。)」

編集(國)「お、関根さん! 今ちょうどゲストプレイヤーが到着したところです。」

 

???「お疲れ様です!」

 

 

関根「お疲れ様でーす! って、ええええええ!!」

 

関根「『ラブレター』を生み出したゲームデザイナーのカナイセイジさんじゃないですか! どうしてここに!?」

 

カナイセイジ氏(以下、カナイ)「いやぁ、アナログゲームで遊べると聞いて、いてもたってもいられなくなりまして……。ところで今日は何を遊ぶんですか?」

 

編集(國)「実はカナイさんが制作された『有野課長のLove Letter』をプレイするんですよ。」

 

カナイ「なんと……奇遇ですね! もう1人プレイヤーが欲しいと聞いて声をかけたのが、同作を販売する「ホビーショップあみあみ」広報担当の岩永さんなんですよ!」

 

 

岩永氏(以下、岩永)「お疲れ様です! 『ラブレター』はいつも愛娘と2人で遊んでるんですが、4人プレイは初なので気になって来ちゃいました!」

 

関根「こんな奇跡ってあるんですね……。これはひと味違うプレイになりそうで楽しみです!」

編集(國)「……という導入でプレイレポートを書きますんで、みなさんよろしくお願いします!」

 

一同「バラすんかい!!!!」

 

編集(國)「ちなみに、「GCCX」制作会社のガスコイン・カンパニーさんも見学にいらっしゃってます。」

 

「GCCX」番組広報、石井氏「いやバラすんかい!!!!!」

 

編集(國)「今回はあみあみ×ホビージャパンの連動企画になりますので、石井さんを交えたカナイセイジさんへのインタビューもamiami hobby newsに掲載されています。そちらもあわせてチェックしてくださいね!」

 

関根「虚空へ向かって呼びかけている……怖い……!」

 

この日カナイ氏は偶然「GCCX1UPドリンク 課長水」を持参していました。決して石井氏からの差し入れではありません。

 

 

◆ドラマを生み出す男、カナイセイジ

こうして関係者を囲んでプレイすることとなっ『有野課長のLove Letter』。まずはデザイナーのカナイ氏から直々にルールを説明してもらいました。

 

ルール概要は以下の通りです。

■ゲームの目的

プレイヤーは「ゲームセンターCX」番組ADとなり、ゲームをクリアするのに苦労している有野課長をサポートします。

課長の元へなるべくよい助っ人スタッフを送り込む、もしくは課長本人にやる気を出してもらい、収録の制限時間までにゲームクリアをめざしましょう!

 

■ゲームの勝利条件

・自分以外のプレイヤーを全員脱落させる。

(ほかのADにゲームクリアをあきらめさせる)

・山札がなくなった手番の終了時、脱落していないプレイヤーのなかでいちばん大きい数字のカードを持っている。

(収録終了時に最も有野課長へ貢献している)

 

■ゲームの流れ

①1~8の数字と対応するスタッフが描かれた16枚のカードをよくシャッフルし、1枚だけ伏せたまま取り除いてからプレイヤーに1枚ずつ配る。残りは山札として置く。

②じゃんけんでスタートプレイヤーを決める

 

③スタートプレイヤーは山札から1枚引き、手札の2枚から1枚を捨てて効果を解決する。

 

④スタートプレイヤーから時計回りに、ゲームの勝利条件が満たされるまで③を繰り返す。

(脱落したプレイヤーは飛ばしてプレイする。)

ここまでが『ラブレター』シリーズの基本ルール。

今回は『有野課長のLove Letter』で追加された上級ルールも加えてプレイすることに。

■上級ルール

①ゲーム開始時に手札を配ったあと、挑戦ソフトカードの山札から1枚を公開する。

②ゲームに勝利したプレイヤーが手札に持っているカードの数字が、挑戦ソフトカードの難易度以上なら、難易度ぶんの勝利点を獲得する。そうでない場合は1点を獲得する。

 

③勝利点10点を獲得するか、挑戦ソフトカードの山札がなくなった時点で最も勝利点を獲得しているプレイヤーが勝利する。

 

編集(國)「上級ルールをあわせてもたった3分でルール説明が終わった……!

カナイ「シンプルなルールも『ラブレター』シリーズの魅力ですね。では、じゃんけんで勝った自分からスタートします!」

 

第1ゲームの挑戦ソフトカードの難易度は5。序盤からなかなかハードですが、クリアできれば一気に勝利へ近づけます!

 

カナイ「ではまず、2番「松井現」を捨てて、関根さんのカードを拝見します! ふむふむ……おお! これは結構強いですね!」

編集(國)「次は自分の番ですね。5番「東島真一郎」で関根さんの手札を捨てさせます。」

関根「これでカナイさんに渡った情報がリセットされた! あざーす!」

岩永「ちょっと、同僚だからってコンビ打ちしないでくださいよー!」

カナイ「しかもクリアできる5番をわざわざ捨てるとは怪しいですね……!」

編集(國)「(関根さんが8番「有野課長」を持ってると予想して動いたら思いがけず場が混乱した……!)」

 

関根「次は私です! さっきのお返しに3番「井上侑也」でカナイさんと勝負です!」

カナイ「それはまずい……やっぱり! 僕のカードのほうが数字が低かったので脱落します! ちなみに脱落プレイヤーは手札を公開しますが、僕のカードは7番「阿部浩一」でした。」

 

編集(國)「関根さんのカードが7より大きいということは……!

関根「あ! これだと手札がバレるのか……!」

岩永「ラッキー! なら自分は5番「東島真一郎」で関根さんを指定します! 持っているカードは7より大きい8番「有野課長」ですね!」

関根「ですよねー……! 8番「有野課長」を捨ててしまったので脱落です!」

 

編集(國)「いやー、1巡プレイしただけでもかなり情報が絞られてきますね。

カナイ「終盤はカードも減ってさらに選択肢が狭まります。ただし、ゲーム開始ごとに1枚カードを抜くので、最後までどのカードが出てくるかわからないです!」

 

編集(國)「『ラブレター』完全に理解した……。1番「菅剛史」を捨てます! ……岩永さんが持っているカードは5番「東島真一郎」ですね!」

 

関根「ヒソヒソ……。(編集(國)さん、5番はもう全部場に出てます……!)」

編集(國)「とみせかけて! 岩永さんの手札は4番のナカジマさんですね!」

カナイ「ヒソヒソ……。(編集(國)さん……4番は中山(ナカヤマ)さんです……!)」

編集(國)「全然理解してなかった……。」

 

編集(國)がポンコツぶりを披露しているうちに、山札がなくなり勝負は手札の数字判定に。残るカードで最強の6番をしっかり手札に残していた岩永氏が勝利し、挑戦ソフトカードも見事クリアしました。

 

 

続けて第2ゲームでは、リーチのかかった岩永氏をカナイ氏が早々に脱落させたあと、関根さんに悲劇が起こりました。

 

関根「あー……。「阿部浩一」を捨てます……。」

カナイ「ということは、関根さんの持っているカードは5以上と……。なら僕は「菅剛史」を捨てて関根さんを指名! あなたのカードは「有野課長」ですね!」

関根「的中されたので脱落! なんか私のところにばっかり課長来てません!?」

カナイ「それだけ課長に信頼されてるADなのかも!」

関根「むしろ恨まれている気さえします……。」

 

こうしてスピーディーな展開でゲームは進んでいき、ゲームは3人が10点まであと1歩の得点を稼ぐなか、カナイ氏のみ無得点の状態に。

カナイ「やばい……このままではデザイナーの名折れになってしまう……!」

石井「大丈夫ですかカナイさん……そうだ! このカードを使ってください!

カナイ「こ、これは! 「ゲームセンターCX DVD-BOX15」の特典スペシャルカード「イカを食べる有野課長」ですね!」

カナイ「スペシャルカードは同じ数字と入れ替えても、追加しても遊べちゃいます。というわけで、次のゲームからは有野課長を追加して逆転を狙いますよー!」

 

編集(國)「(……みたいな展開でカードを追加する流れを作ったものの、共通の山札を増やしてもカナイ氏が有利になる動機づけにはならないのでは……? ま、いっか!)」

 

カッコイイポーズまでお願いして茶番を挟みましたが、ゲームプレイは台本なしの真剣勝負。しかしながら、ここからカナイ氏が怒涛の快進撃で続けざまに挑戦ソフトカードを獲得し、宣言通りの逆転勝利を収めました。

岩永「さすがに生みの親は強かった……!」

関根「デザイナーの本領を見せつけられましたね! ……もしかして、いい勝負になるようにカナイさんがうまくゲームをコントロールしてた可能性も……?!」

 

 

 

カナイ「よっしゃ勝てたああああああ!!!! よかったあああああ!!!!!」

編集(國)「そんなことなさそう。」

 

ちなみに、ルールがシンプルなこともあり、スペシャルカードを投入しても特に混乱することなく、ほどよいアクセントとして機能していました。今後もスペシャルカードは追加されるとのことなので、続報に期待しておきましょう!

 

 

 

◆デザイナー、カナイセイジ氏に聞く制作ウラ話

ドラマチックな逆転劇で幕を閉じた『有野課長のLove Letter』プレイ会。ただ遊んで帰ってもらうのはもったいないので、カナイ氏へ本作にまつわるミニインタビューをお願いしました。

――今回は「ゲームセンターCX」(以下、「GCCX」)という、かなりユニークなタイトルとのコラボですが、追加ルール自体はコラボが決定する前から構想にあったのでしょうか。

カナイ:コラボを決めてから考えました。まずは「GCCX」の番組をベースに、有野課長と番組スタッフのみなさんをカードにした『ラブレター』を作りたいというお話を番組制作会社のガスコイン・カンパニーさんからいただきました。そこで番組らしさを表現するにはどうすればいいかを考え、やはり「有野課長が頑張ってゲームをクリアする」ことがすごく重要だという結論に至りました。その過程をどうゲームに落とし込むかをストーリーとあわせて煮詰めた結果が、挑戦ソフトカードを使った上級ルールになっています。難しいソフトはかなりチャレンジングに、簡単なソフトも難しいけど、なんとかクリアできそう……というプレイ感を設定して、誰を送り込めば(手札に残せば)クリアできるかという番組の追体験をプレイヤーにしてもらえればと。

――何より「GCCX」らしさを大事にしたということですね。ほかにコラボを意識したこだわりはあったのでしょうか。

カナイ:いちばん大事なのは「GCCX」のファンによろこんでもらうことですので、スタッフの誰をカードに採用するかはしっかりこだわりました。よく活躍されているかたを制作会社さんにまとめていただいたうえで、それぞれのキャラクター性をカード効果とすり合わせて今の形になりました。なるべく遊んでいただくファンの考えるキャラクター像を裏切らない効果で「GCCX」の雰囲気を再現できたかと思います。

――ちなみに、効果を組み合わせるなかで、特に悩んだスタッフはいましたか?

カナイ:人事権を握っているであろう菅プロデューサーが1番というのはすぐに決まりました。もちろん、有野課長が8番なのは当然として、そこから7番にカメラマンの阿部さん、6番に構成作家の岐部さんと、特に人気のあるスタッフを入れていきました。残るスタッフはどなたも甲乙つけがたいキャラクターで、2~5番の2枚ずつあるカードに誰を抜てきするかはかなり悩みました。趣味などのパーソナルなデータもヒアリングしながら決めていきましたね。

――ファンを意識したルールとのことですが、7番の阿部さんは『ラブレター』の「脱落する」という効果から「捨てなければいけない」に変わっていますよね。こちも初心者が遊びやすいようにマイルドな効果にしたということですか?

左:『ラブレター』の7番「大臣」/右:『有野課長のLove Letter』の7番「阿部浩一」

カナイ:それもありますが、そもそも海外版では基本的に7番の効果を「捨てなければならない」に変えているんです。手札に引いたときの事故を減らしたほうがユーザーの印象がいいだろうという判断ですね。もちろん、そういうハプニングがおもしろい部分でもあるので、どちらかが優れているわけではありませんが、今回は「GCCX」のファンに向けたチューニングを協議した結果、より長くゲームに参加できる、脱落しない効果を選びました。

――プレイするユーザー層やコラボタイトルにあわせたルール選びをされているというわけですね。ちなみに、『ラブレター』は「GCCX」も含めて多くのバリエーションやコラボタイトルを展開されていますが、追加ルールや改訂ルールを用意するにあたって「ここだけは譲れない!」という『ラブレター』の“核”はあるのでしょうか?

カナイ:それは難しい質問ですね……。ゲームの顔となる8番のカードも本作の「イカを食べる有野課長」のように変わった効果を出していますし、これといったコアルールは定めていないですね。ただ、ルールを考えるなかで、1番の効果だけは動かしづらいとは感じています。「残り枚数から相手のカードを推測して脱落させる」というアクションはゲームの進行上重要なプロセスなので。ただ、テーマごとに適切なテーマがあればそれに沿うことを優先させたいので、1番にキャラクターをあてこんだ段階で、脱落よりテーマにふさわしい効果があれば変わることもあるかと思います。

――最後にカードゲーマーへのメッセージや告知があればお願いします!

カナイ:「カードゲーマー」の読者はふだんからトレーディングカードゲームやデジタルカードゲームをメインに遊ばれている方が多いかと思いますが、自分も趣味で『マジック:ザ・ギャザリング』や『ハースストーン』をよく遊んでいます。

ボードゲームはそういったゲームとは異なり、基本的にセット内で完結した内容となっていますが、そのぶんさまざまなテーマやギミックに応じたアツい駆け引きがあります。手前味噌ですが、『ラブレター』はこれからボードゲームを体験するにはピッタリのわかりやすいルールになっていますので、ぜひ遊んでみてください! 『有野課長のLove Letter』はもちろん、ほかのコラボやバリエーションも充実していますので、そちらもお手にとっていただければ。それ以外にもいろいろなタイトルに携わらせていただいておりますので、僕のTwitterなどでチェックしていただければ幸いです!

……ちなみに、これは自分の告知ではないんですが、僕がマネジメントしている「梶井星奈JK」というヤツがおりまして、調子に乗って『ポプテピピック クソカードゲーム』の第2弾をリリースするそうです。今回も問題作となりそうなカードがたくさん収録されているらしいので、こちらもお楽しみに!

――カジイセイナJK……いったい何者なんだ……!? ともかく、今回はありがとうございました!

 

 

有野課長のLove Letter

 

シンプルなルールですぐに楽しめる超人気カードゲーム『ラブレター』とゲームセンターCXがコラボレーション! 番組公式カードゲームがあみあみ限定発売で登場! 番組ADたるプレイヤーは、他のAD(プレイヤー)の目論見を外し、自分の推す助っ人を有野課長のもとに送り込み、見事クリアー! へと導くことができるか?

イラストは、番組グッズ等でおなじみのニーナ マツモトさん描き下ろし。なんとなく懐かしさを感じるパッケージ箱は番組ファンならずともコレクションに最適な一品です。また今後の番組DVD特典やイベントなどで追加カードの配布も予定されています。手軽にプレイでき、かつ奥の深い駆け引きで楽しめる名作『ラブレター』はカードゲームのプレイ経験のない方もハマること間違いなし!ぜひプレイしてみて下さい。

 

『有野課長のLove Letter』の制作秘話が語られる「amiami hobby news」の連動記事はこちらをチェック!

https://news.amiami.jp/

 

 

(C)フジテレビジョン/ガスコイン・カンパニー