【Shadowverse】2Pickで勝つのは運じゃない ~au デトネーション cross7224選手インタビュー~

『Shadowverse』の記事連載。6週連続「RAGE Shadowverse Pro League」所属選手インタビューの第4弾をお届け。今回はau デトネーション・cross7224選手にお話をうかがいました。

cross7224
au デトネーション所属。
2016年からDetnation Gamingに所属しているプロプレイヤーで、『Shadowverse』プロリーグの第2シーズンでは2Pick担当のプレイヤーとして5勝2敗という好成績を残している。カードゲームだけでなく格闘ゲームも愛好するマルチなプレイヤー。


◆試合の数が足りない!?

――cross選手は第1シーズンからプロプレイヤーとして戦ってきました。これまでのプロリーグでの戦いを振り返っての感想などをお話しいただけますか。

cross:第1シーズンを終えて一番に思ったことは12ラウンドでは足りないということでした。

――12ラウンドでも結構ハードだという声もありましたが、cross選手にとっては少なかったと。では、どのくらい試合数があればよかったと考えていますか?

cross:30ラウンドくらいではないでしょうか。

――30ラウンド! 1か月4週で毎週試合をしても半年では足りませんから、30ラウンドはハードなスケジュールになりそうですね。

cross:まぁ、30ラウンドというのはさすがに現実的ではないかもしれませんが、現在の12ラウンド制では選手の実力がしっかり反映されていないのではないかという気持ちはあります。この点についてはシーズンを重ねていけば試合の数も増えていくので、そのうち解消されるとは思います。あとは、僕が個人的にもっとたくさん試合をしたかったというだけですね(笑)。


◆2Pickプレイヤーとしての成長

――『Shadowverse』への高いモチベーションがうかがえます。cross選手個人としては、これまでのシーズンを振り返ってみてご自身の戦績などをどう自己評価されていますか。

cross:第1シーズンでは11試合に出場して5勝6敗という結果だったので、成績には満足できていません。それも、緊張感からミスをしてしまったというわけではなく、純粋にプレイにミスがあったのでこれについては改善しなくてはならないと思いました。

――その結果、第2シーズンではau デトネーションの2Pick担当プレイヤーとして現在5勝1敗と大きく勝ち越されています。

cross:第1シーズンの途中から2Pick担当になって、それまであまり2Pickをやれていなかったこともあり、最初は不安がありました。それでも1ヶ月くらい集中して2Pcikの練習をしてレベルを上げられたかなと思います。それが今の結果につながったので、自分が担当になってよかった、あのときチームの皆で相談して正しい判断ができたんだなと実感しています。

――2Pickのレベルを上げる方法についてお話しいただけますか。

cross:2Pickで強くなるには「数をこなす」という以外にはないと思います。僕も2Pick担当になってからの1か月はひたすらプレイを繰り返していました。そのなかで得た知見としては、対戦が始まってからはローテーションなどの構築戦の試合とあまり変わりはなく、主に差が出るのはピックの部分だということです。

――どういうカードが出るかの運ではなく、どういうカードを取るかの技量で差がつくということでしょうか。

cross:構築戦は勝ち手段となるカードを選んで投入できるので、勝ち手段を使うその直前まで不利でもあまり問題になりません。たとえばもうリーダーの体力が1しか残っていない状態でも、自分のターンが来て《アンの大魔法》で20点ダメージを与えられるならいいわけです。しかし、2Pickではその前の段階、いかにウィンコンディションに持っていくか、あるいは相手のその動きを妨害できるかが重要になります。ゴール地点ではなく、そこまでの道筋がより重要になってくるということです。

そのことがわかって、いかに勝ち筋になるカードを組み込んでいくかを考えるようにしてからは今のような成績を残せるようになりました。
また、2Pickを構成する要素には、先ほど少し話に出た「どういうカードが現れるか」という運の部分があり、どうしても弱いデッキになってしまうことがあります。デッキが弱くなりそうなときに全然勝てないデッキにしてしまうのか、勝ちの目が残るデッキにできるかという点も大きいと思います。

具体的には、序盤のピックで「このままではよくないぞ」と察知したらピックの方針を転換するということです。「強いデッキには不要なカード」でも「弱いデッキにチャンスを与えてくれるカード」というのがあるので、デッキが弱くなりそうなときはそういうカードを見逃さないようにすることが必要です。

――たとえば、どういうカードでしょうか。
cross:わかりやすいところでは《重装のトロール》ですね。

クラス固有のカードでちゃんと勝てるデッキではあまりピックしたくないカードですが、守護を無視して8点ダメージを与えられるので、相手が除去を持っていなければそれで勝てることもあります。

――たしかに、エルフやネクロマンサーであまりシナジーのないデッキになってしまったときなど意外と頼りになりますよね。《フェザーダッシュ》で疾走をつけたりもできますし。

cross:そうですね。そういう強くないカード単体の強さを引き出す、あるいはそれらのコンボによって局地的な爆発力を得られる手段について知っておくことが重要だと思います。

 

◆プロプレイヤーとしての自分を見つめる

--これからのcross選手について、プロプレイヤーとしての目標ややってみたいことなどがあればお話しいただけますか。

cross:現状「プロゲーマー」と呼ばれていても、それ一本で生活できている人というのは決して多くないと思います。自分のことも含めてですが「プロゲーマー」が本当にゲーマーとしての活動だけで食べていけるようになれば、もっとプロを目指すプレイヤーが増えると思います。そうなれば、業界全体の活気にもつながって、それがさらに人を呼び込んで……と好循環が生まれるんじゃないかと。そういう状況を作り出すために自分が役立てれば、それがこれまで自分を応援してくれた皆さんへの一番の恩返しになるでしょうし、自分にとってもいいことになります。それを目指していきたいですね。

--具体的にはどのような道のりを考えていますか。

cross:いまの自分にできることといえば、やはり配信などで露出を増やし、そしてプロリーグで好成績を残すことだと思っていて、配信は積極的にやっています。最初にも言いましたが、僕個人としてはプロリーグの試合が1週間に一度しかないのは少ないと考えているので、どんどん配信してプレイをみてもらいたいですね。
また、それにはプロプレイヤーとしての活動という以外に、単純に『Shadowverse』の力量を上げるというもっとシンプルな側面があります。練習だってギャラリーに観られていた方が集中できますし、より真剣になれます。

だから、他のプロプレイヤーの方たちにももっと配信してほしいなって思ってるんですよ。僕のプレイだけでなくて、他のすごいプレイヤーの腕前も見てもらいたいし、僕自身もそれを見たいです(笑)

--特にどういった方の配信に興味がありますか?

cross:Axizさんと横浜F・マリノスさんの2Pick担当であるROBさん、しーまんさんには同じフィールドで戦う人間として注目しているので、2Pickの配信をしてくれたら熱心に見るでしょうね。第1シーズンの初期に明らかになったことですが、現在の試合形式では2Pickの重要性が非常に高く、チームの勝敗において大きなウェイトを占めています。そのためプロリーグにおける2Pickのレベル向上というのは、僕たち2Pick担当プレイヤーだけでなく、プロリーグというフィールドにとっても意味のあることだと考えています。

--2Pickの重要性については、他のチームの方もおっしゃっていました。具体的に何が重要なのか、ぼんやりとはわかる気がするのですが、正確にはどういう理由で重要なのでしょうか。

cross:構築よりも運の要素が大きく、かつ1本勝負だからという理由が大きいとされていますが、先ほど言ったように2Pickにおける運の占める割合は一般的に思われているよりも低く、どちらかというと技術が重要なフォーマットです。プロリーグでの勝利のために2Pickの重要性が高い理由は「2Pickが運で勝ち負けが決まるから」ではなく「構築戦で2連勝するのが難しい」からです。

構築フォーマットでは4デッキを作りますが、まずこの作業が難しく、常に上から強いデッキを順番に4つ選べるかと言われればYESと即答はできません。僕は2Pick担当なので構築フォーマットはチームメイトを信じてあまり口出しをしないのですが、これは間違っていないと思います。

また、もし仮に1番目から4番目までのデッキを選べたとしても、今度はそれをどういう組み合わせで使うかという問題が出てきます。
トップ2のデッキ2つを1人のプレイヤーが使えばそのプレイヤーは勝てるかもしれませんが、3番目、4番目のデッキを使ったプレイヤーは勝利することが難しくなるでしょう。
そのリスクを避けてたとえば1番目と4番目、2番目と3番目の組み合わせで使ったら、今度はデッキパワーに差がなくなるため、実力の均衡した環境ではやはり連勝は難しくなります。

ところが、もし2Pickで必勝できるとしたらどうでしょうか。
トップ2の組み合わせを出して、それと2Pickで勝って2勝というプランが考えられるようになります。
もちろん、現実には必勝というのはありえませんが「2Pickで勝ちが計算できる」ことは、構築フォーマットのデッキ選択において「リスクを恐れずに一転突破を狙うことができる」という大きなアドバンテージになります。実際にそういう組み合わせにすることが常に正しいというわけではありませんが、選択肢が増えることが大切で、選択肢のあるチームとないチームでは前者が有利になるのは間違いありません。

これが、プロリーグで2Pickが重要だという理由だと思います。

--大変わかりやすい説明をありがとうございました。次からもっと2Pickを楽しく見られそうです。

◆『Shadowverse』プレイヤーへのメッセージ

--では最後になりますが、cross選手のこれからのプロプレイヤーとしての活動に対する意気込みや、『Shadowverse』プレイヤーへのメッセージをいただけますか。

cross:僕は最初は構築フォーマットよりのプレイヤーでしたが、チームがプロリーグで戦っていくために2Pickプレイヤーになりました。なので、2Pickに習熟したプレイヤーの皆さんにとってはまだまだ甘い、ぎこちないところがあったと思います。しかし、時間をかけてようやく見せても恥ずかしくないプレイが少しずつできてきたかなと思っています。これからも精進してピックとプレイの両方ですごいと思われるようにがんばっていきますから、どうか応援よろしくお願いします!

--ありがとうございました。

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