【FF-TCG】「MASTERS2018」FINAL優勝者に聞く「水単フースーヤ」のすべて

『FINAL FANTASY TRADING CARD GAME』の公式記事連載。今回は「MASTERS2018 FINAL」優勝のハリガイさんのインタビューをお届け。第一期「名人位決定戦」に続き構築フォーマットの大会を制覇した“構築マスター”にお話をうかがいます!

◆はじめに
こんにちは!『FF-TCG』プレイヤーのたるほです。

10月6日、7日の2日間にわたって東京のスクウェア・エニックス本社で「MASTERS2018 FINAL」「MASTERS2018 THE AFTER」が開催されました。
「MASTERS2018 FINAL」は構築戦、「MASTERS2018 THE AFTER」はシールド戦とブースタードラフト戦の混合フォーマットで行なわれ、「MASTERS2018 FINAL」ではハリガイさんが、「MASTERS2018 THE AFTER」ではしどさんがそれぞれ優勝し、11月にロンドンで開催される世界選手権への出場権を獲得しました。

ここでは今大会で見事に日本代表の座をつかみ取ったハリガイさんへのインタビューの模様をお届けします。

▲「MASTERS2018」FINAL優勝のハリガイさん。

◆「MASTERS2018 FINAL」優勝:ハリガイさんインタビュー

ハリガイ
群馬のプレイヤー。
2017年から2018年にかけて開催された第一期「名人位決定戦」の優勝者である“初代『FF-TCG』名人”。
今回「MASTERS2018 FINAL」で優勝したことにより、構築戦フォーマットの全国大会2冠を達成し、あらためてその強さを見せつけるとともに日本代表の座を手にした。
新ブースターパックの発売前後には数十種類のデッキを組むという生粋のデッキビルダーで、特に【2-146H】《フースーヤ》imageを採用したデッキの強さには定評があり、今年の「MASTERS2018 FINAL」の決勝戦は彼のデッキをシェアしたサワダさんとの同型対決となった。

 

二冠王者の読み解く「MASTERS2018 FINAL」のメタゲーム
――優勝おめでとうございます。
ハリガイ:ありがとうございます。
――今回使われたデッキは「水単フースーヤ」ということですが、名人戦も「フースーヤ」デッキで優勝されていますし、去年の「MASTERS2017 FINAL」、直近ではチーム戦の個人全勝など「フースーヤ」デッキといえばハリガイさんといったイメージがあります。今回大会に挑むにあたっても最初から「フースーヤ」デッキを使おうという点は意識されていたのでしょうか?
ハリガイ:そうですね。もともと使い込んでいたこともあり、【2-146H】《フースーヤ》imageを使おうというビジョンは早い段階から持っていました。「Opus VI」が発売され、既存のデッキをアップデートしていくところからデッキ作りが始まったのですが、その時点で「水単フースーヤ」はとても強くて、今回使ったデッキの原型もほとんどその段階で完成していました。また「MASTERS2018」伊勢崎大会で2位になったときの「水雷」デッキも僕が組んだリストを仲間内で共有して持ち込んだデッキなのですが、そちらもかなり感触がよくて「MASTERS2018」東京大会のチーム戦のころまで候補の1つではありました。

デッキリスト:水単フースーヤ(「MASTERS2018」FINAL 優勝)

カード番号 カード名 枚数
フォワード(21枚)
【3-125C】 《うたかたの召喚士》 3
【3-139C】 《ナイト》 3
【4-133C】 《バイキング》 3
【3-130R】 《カイナッツォ》 2
【6-126R】 《レイラ》 3
【4-129L】 《スタイナー》 2
【3-144L】 《レナ》 3
【5-126L】 《暗闇の雲》 2
バックアップ(17枚)
【1-177R】 《ユウナ》 3
【3-122C】 《アルテミシオン》 1
【4-134C】 《ブラネ》 3
【1-180H】 《ワッカ》 2
【4-138R】 《メルウィブ》 3
【5-132R】 《バデロン》 2
【2-146H】 《フースーヤ》 3
召喚獣(12枚)
【4-128C】 《コヨコヨ》 3
【1-178R】 《リヴァイアサン》 3
【3-123R】 《暗黒の雲ファムフリート》 3
【2-133R】 《不浄王キュクレイン》 3

デッキリスト:水雷

カード番号 カード名 枚数
フォワード(24枚)
【1-211S】 《リグディ》 3
【1-125R】 《オニオンナイト》 3
【5-099H】 《イルーア》 3
【4-102R】 《黒のワルツ3号》 2
【2-097H】 《アルシド》 3
【5-118L】 《ラムザ》 2
【4-133C】 《バイキング》 3
【6-126R】 《レイラ》 3
【5-126L】 《暗闇の雲》 3
バックアップ(17枚)
【2-108C】 《黒魔道士》 3
【2-106R】 《グラミス》 2
【5-103R】 《ガリークランのシド》 1
【1-137R】 《シーモア》 2
【1-177R】 《ユウナ》 3
【4-134C】 《ブラネ》 3
【4-138R】 《メルウィブ》 3
召喚獣(9枚)
【5-133H】 《ビスマルク》 3
【1-178R】 《リヴァイアサン》 3
【3-123R】 《暗黒の雲ファムフリート》 3

――「MASTERS2018」東京大会の結果を受けて「水単フースーヤ」と「水雷」から前者を選択されたわけですね。決め手はなんだったのでしょうか?
ハリガイ「MASTERS2018 FINAL」で、メタゲームの中心になるだろうと考えていたデッキは「風土」「氷単」「水風」「水単」の4つでした。「水雷」は非常にデッキパワーの高いデッキだったのですが、この中の「土風」と「氷単」への相性が悪く、今回のトーナメントには向いていないと感じたのが大きな理由です。
――具体的にどういった点で、相性の悪さを感じたのでしょう?
ハリガイ:まず対「風土」ですが、このデッキには【4-085H】《ダダルマー》imageや【5-068L】《ヤ・シュトラ》imageといったアビリティでの除去に耐性を持ったフォワードが多く採用されています。また「氷単」に対して除去自体は有効なのですが、最近流行している手札破壊に特化したタイプの「氷単」相手には【2-097H】《アルシド》imageを軸にしたコンボ的な除去は手札に残しておけないことが多く、このマッチアップでも勝率は安定しませんでした。【1-211S】《リグディ》imageなどは「水単」の【6-126R】《レイラ》imageと【4-133C】《バイキング》imageなどには有効な回答になりましたが、こちらが2属性デッキであるぶん安定性の面で負けており、実際の相性は五分といったところでした。これらの理由により、メタゲーム上明確な優位性を見出せなかったため今回の使用は見送りました。

――では「水単」フースーヤはそれぞれの仮想敵に対してどう考えられていたのでしょうか?
ハリガイ:「風土」は先ほど話したようにアビリティによる除去への耐性が高いため【2-146H】《フースーヤ》imageでコントロールできないでいるうちに相手に【4-085H】《ダダルマー》imageと【4-058C】《サボテンダー》imageや【6-062R】《リュック》imageと【6-053R】《パイン》imageといった強力な盤面を作られてしまうのがつらいところでした。そこで召喚獣である【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》imageに着目し、これを3枚採用することでそういったゲームを打開しようと考えました。このカードには注目されていたプレイヤーの方も多かったと思いますが、このおかげで「水単フースーヤ」対「土風」の相性は大きく改善されたと思います。

次に「氷単」ですが、これは3枚搭載した【4-128C】《コヨコヨ》imageが非常に有効でした。【4-128C】《コヨコヨ》imageは【1-172C】《モーグリ》imageと似ているカードですが、手札が0枚の時は2ドローになるので、例えば「氷単」が手札1枚のこちらに対して【3-036H】《シド・オールスタイン》imageと【5-034C】《ゲスパー》imageのコンボをしかけてきたときに、対応して召喚することで相手の除去を防ぐこともできますし、手札をすべて使い切ったときに【3-125C】《うたかたの召喚士》imageからデッキトップに積み込んでおくことで、相手のアタックをあえて受けることで2ドローするぞという選択を迫ることもできるなど「氷単」にかなり強い構成になりました。

――対「水風」は今回の【6-044L】《ジタン》imageや【5-068L】《ヤ・シュトラ》imageのように【2-146H】《フースーヤ》imageでは干渉できないカードが採用されているイメージがあり、その上で土属性よりもコストの軽いフォワードも多く【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》imageも効きにくいかと思うのですが対「水風」についてはどう考えていましたか。
ハリガイ:今回僕が使った「水単フースーヤ」はデッキ内のフォワード枚数が21枚なのですが、対【6-044L】《ジタン》imageに対してはフォワードを手札に残さないプレイを意識しました。そして【2-146H】《フースーヤ》imageさえ置けてしまえば【3-125C】《うたかたの召喚士》imageで【3-123R】《暗黒の雲ファムフリート》imageを積み込んで【2-146H】《フースーヤ》imageと合わせて、相手がおとりとして出してきたフォワードごと【6-044L】《ジタン》imageを除去することができます。「水風」デッキの側からも【6-044L】《ジタン》imageをプレイするときはほかのフォワードを同時に展開することが少ないので、あまり長い間放置することはできませんが1~2ターン内で対処できれば、それほど難しいゲームにはならなかったです。
――なるほど。あとは「水単」の同型対決ですが、こちらはいかがでしたか?
ハリガイ:「水単」に関しては使う側だったので仮想敵としてはあまり研究していなくて、強いて言えば【2-146H】《フースーヤ》imageの序盤の弱さを克服するために【6-126R】《レイラ》imageと【4-133C】《バイキング》imageを早くプレイすることを意識してデッキを構築していました。それが「フースーヤ」型以外の「水単」への優位性につながったと考えています。

想定したメタゲームを構築に反映させたところを聞く!
――構築で意識した点などお聞きしたいのですが?
ハリガイ:最近の「フースーヤ」デッキと異なる点をあげるなら、バックアップの構成だと思います。よく見るレシピでは【1-157C】《学者》image2枚【4-126C】《剣術士》3枚だったり、EXバーストを持っていて手札に余った【2-146H】《フースーヤ》imageを処理できる【2-137H】《メルウィブ》imageを採用しているものが多いですが、私のデッキでは【5-132R】《バデロン》image【4-138R】《メルウィブ》image【4-134R】《ブラネ》が3枚、さらに【3-122C】《アルテミシオン》imageも採用して必要なカードをサーチするということを重視した構成になっています。

――【3-122C】《アルテミシオン》imageは最近あまり見なくなったカードですね。ほかにもバックアップの特徴でいうと一般アイコンを持つカードがまったく入っていません。同名カードの重複も結構な頻度で発生しそうですが、バックアップを複数並べてからが本番という従来の「水単」とはイメージが異なる印象です。
ハリガイ:それは僕が理想的な立ち上がりをすることを強く意識していたからです。たとえば、初手に【4-138R】《メルウィブ》image、それと【6-126R】《レイラ》imageと【4-133C】《バイキング》imageのどちらかがあれば1ターン目からフォワード2体とバックアップ1枚を置けて、そこから【2-146H】《フースーヤ》imageへの展開もスムーズに行なえます。この展開に対して相手がパワー8000以上のフォワードを出してブロックしてきても【2-146H】《フースーヤ》imageとの合わせ技でフォワードを除去しつつ、1ダメージを与えられます。そのため、この2枚を安定してプレイするためにサーチ能力を持ったカードを重要視していました。また【6-126R】《レイラ》image【4-133C】《バイキング》imageのコンボは展開だけでなくドローもできるので、常に新しいカードを供給することでバックアップのカード名重複もそれほど気になりませんでした。

――「水単」といえば【4-126C】《剣術士》は外せないカードかなと思っていました。【3-139C】《ナイト》imageや【4-133C】《バイキング》imageもあり無駄になりにくいカードですし、採用されないのは意外に感じます。フォワードが21枚と決して多くはない構成ですが、フォワード不足に困ったりはしなかったのでしょうか??
ハリガイ:このデッキでは【4-138R】《メルウィブ》imageと【4-134R】《ブラネ》を3枚ずつ採用しており、序盤から積極的に【6-126R】《レイラ》image と【4-133C】《バイキング》imageをそろえるためのバックアップ構成になっています。さらに【4-28C】《コヨコヨ》も3枚入っているのでドローする能力が非常に高く、デッキの回転がかなり早くなっています。そうなってくると21枚という枚数以上にフォワードが水増しされていて、フォワード不足を感じることはありませんでした。これは【4-126C】《剣術士》を採用していない理由にも結びつきますが、【4-126C】《剣術士》を起動するタイミングって手札でやることがなかったり、手札であふれたバックアップを置き換えるといった「やることがない」タイミングなんですね。しかし、このデッキではカードを引き続けることで常に「やること」を見つけにいけます。そのため【4-126C】《剣術士》は不採用になりました。

また【1-158C】《学者》を採用していない理由ですが、この「水単フースーヤ」デッキは基本的に【3-130R】《カイナッツォ》imageを同一ターンに複数回出す展開にならないんです。今までの「水単フースーヤ」は攻め込まれる展開を切り返さなければならなかったため【3-130R】《カイナッツォ》imageのコンボが必要でしたが、【6-126R】《レイラ》image【4-133C】《バイキング》imageのおかげで【2-146H】《フースーヤ》imageの除去の範囲が広がって、こちらから攻勢に出られるようになったので【3-130R】《カイナッツォ》imageへの依存度は下がっています。

そのため、今回のデッキで【1-158C】《学者》を採用した場合、おもな使い道が中盤以降に【3-144L】《レナ》imageなどが除去されるのに合わせて手札に戻してもう一度使い直すというものになります。それはあまり強い使い方ではなく、このデッキは盤面にたくさんカードを並べて押し切るのが目的ではないので、あまり強みがないかなと思い不採用でした。すべてのバックアップが能動的にブレイクゾーンに置くことができないので欲しくはあったのですが、役割と安定性の面から今の構成がいいだろうと結論付けました。
――置いたバックをどけられない構成ということで、バックアップをプレイする優先度についてはどう考えていましたか。
ハリガイ:キーカードとしては【2-146H】《フースーヤ》imageに加え【1-177R】《ユウナ》image、【1-180H】《ワッカ》の3枚があがるのですが、この中から2枚置ければいいかなと考えていました。
――【2-146H】《フースーヤ》imageをプレイしないプランもあるということですか。
ハリガイ:【5-125L】《暗闇の雲》が強いおかげで【2-146H】《フースーヤ》imageを置かなくても勝てる試合もあって、1回戦で「風土」と当たったときも【1-117R】《ヘカトンケイル》imageで【2-146H】《フースーヤ》imageを一度ブレイクされてしまって、まだデッキ内には残っていたんですが【2-146H】《フースーヤ》imageを諦めて【1-180H】《ワッカ》から【3-144L】《レナ》image【3-139C】《ナイト》imageを使ってパワー勝負に持ち込んだりと、臨機応変なプレイができるようになっています。
――「フースーヤ」デッキでありながら、それ以外のカードを主軸にした戦術でも戦えるわけですね。【1-180H】《ワッカ》はキーカードの1枚としながらも採用枚数は2枚にとどまっていますが、これにはどういった意図がありますか。
ハリガイ:それも、このデッキが攻撃的な側面を持っているという点が理由です。これまでの「フースーヤ」デッキはディフェンシブに立ち回りつつ【2-121H】《アーシェ》imageのような優秀なフォワードを【1-180H】《ワッカ》で強化して相手の攻勢をシャットアウトし、そこから反撃に転じていくデッキでした。しかしこのデッキはこちらから攻め込む展開も多く、序盤における【1-180H】《ワッカ》の重要度は下がっています。中盤以降に【3-144L】《レナ》imageと【3-139C】《ナイト》imageでパワー勝負をしかけたいときに1枚あればいいので採用は2枚にとどまりました。

また【1-180H】《ワッカ》を3枚採用してしまうと、デッキ内に奇数コストのバックアップが多くなり過ぎてしまうのも気になりました。現在バックアップの比率は偶数:奇数=9:8で採用していて、バックアップを17枚で【1-180H】《ワッカ》を3枚採用すると比率が逆転してしまうのですが、やはり最初に置きたいカードは偶数のバックアップなので、そのバランスを考慮した部分もあります。
――バックアップ17枚は固定で考えられていたのですか?
ハリガイ:自分からどけることのできるバックアップがあれば18枚の構成も可能ですが、そうでなければ17枚以下が好ましいなと思っていました。16枚の構成も試してみたのですが、バックアップが不足する展開が多く、最終的に17枚でいこうと枚数を決めました。

●小さなアイディアの蓄積が圧倒的なデッキ生産力の土台
――ハリガイさんはデッキをたくさん作るデッキビルダーとしても知られています。「Opus VI」環境でも50個デッキを組まれたとのことですが、それだけデッキがあると実際に使用感を確かめるだけでかなり大変なのではないかと思うのですが。
ハリガイ:デッキのひな型と、それをアップデートしたものもそれぞれ1つとカウントしているので、そこまでハードではないですよ。デッキリストを考えても伸びしろがなさそうなら実際に組まないこともありますし、コミュニティのLINEグループにデッキリストを載せて「気に入ったものがあったらみんな組んでね」と言うとみんなが組んできてくれるので、そのときにデッキを借りて実際に感触を確かめることもあります。なので、自分で実際にデッキにするのは考えたうちの半分くらいだと思います。
――逆にいうと、どんなささいなアイディアでも1度はデッキにされるということですね。なにか構築のコツみたいなものはあるのでしょうか?
ハリガイ:カードリストを見て、最初に新カードを使ったコンボみたいなものを見つけられるだけ見つけるんですよ。今回の【6-126R】《レイラ》imageと【4-133C】《バイキング》imageのような誰にでもわかるものもそうですし、サーチするカード、されるカードがどう増えたかの見直し、地味なところだと【6-087R】《イデア》image2枚で毎ターンバックアップを置けることに目をつけた【2-065L】《バルフレア》imageとのコンボも考えていて、実際にデッキにするかわからないようなものまでくまなく探しています。そうして見つけたアイディアをもとにコンボ表を作ってまとめています。そういう小さなアイディアの蓄積からデッキが生まれてきて、また自然と環境の理解にもつながってきているのかなと思っています。

――それでもかなりの時間がかかる作業と思います。ハリガイさんは週にどれくらいの時間を『FF-TCG』に割かれているんですか?
ハリガイ:対戦は土日にカードショップでやることが多くて、3時から9時くらいまで6時間くらいやっています。そこまで大会を意識して集中してやるではなく、雑談しながらワイワイやる感じで。デッキを作るときは仕事の休憩や空き時間などにメモ帳を開いてネタを書きとめています。
――週末に練習しつつ、普段はちょっとした時間の空きにデッキの構想を練っている感じなんですね。
ハリガイ:あとは新しいカードが出たタイミングでは意識して時間を多く取るようにしています。コミュニティに対して情報を提供するのも早い方がいいですし、カードが発売された翌日などに集まるときに僕の組んだデッキやみんなの思い思いのデッキで対戦できる状態にした方がいいですからね。
――ハリガイさんの強さにつながっている風に感じました。来月は「Opus VII」発売から3週間という短い期間で「世界選手権」に挑まれるわけですが、調整に対して不安などはありませんか。普段ほどデッキを組む時間はないようにも感じられます。
ハリガイ:その点については、これまでもそうだったのですが発売前にある程度カードの情報は出回るので発売日にはそれらをもとに20数個ほどはデッキが組めています。時間が多くないのは事実ですが、そのなかからよさそうなものをピックアップして煮詰めていこうと考えています。

――日本代表として世界選手権にのぞむわけですが、デッキ案などは普段のコミュニティのメンバーとやっているように日本代表の方たちと共有する予定ですか。
ハリガイ:情報の共有はしていきたいと考えています。ただ、案というかある程度形になったもの、自分が強いと思ったものを共有する形を取りたいです。時間も限られていますし、密度の濃い練習をしたいので効率的にやらないといけないと思っています。
――自身のアイディアを共有するということで、ある程度手の内をさらしてしまうことにもなると思いますが、そこに不安などはありませんか。
ハリガイ:正直言って少し抵抗があります(笑)。デッキを隠しておけば大会で当たったときに秘密のテクニックで勝てる可能性もあるわけですから。カードゲームではプレイが上手い人と構築が上手い人がいるわけですが、構築がうまい人は情報量の差で勝つことが多いので、構築をバラしてしまうとプレイング技術の差が出てしまうんですよね。そのうえで私自身はかなりビルダー寄りのプレイヤーだと自覚しているので隠せるところは隠したいいうのが本音ではあります。ただ、去年すでに世界で戦っている閣下さんがインタビューで国同士、代表プレイヤーは協力したいとお話しされているのも知っているので、お互いに有意義な情報交換ができればいいですね。

――では最後に「世界選手権」への意気込みなどあればお話しください。
ハリガイ:去年「MASTERS2018 FINAL」で負けてから、今年の世界大会に出ることを目標に『FF-TCG』を続けてきたので、今回権利を獲得できて正直満足してしまっている自分はいるんです。もちろん欲を言えば勝ちたいですが、第一は楽しめることを目標にして行きたいなと思っています。
――ありがとうございました。世界選手権での活躍を期待しています!

◆終わりに
「MASTERS2018 FINAL」を制して「世界選手権」へと駒を進めたハリガイさんへのインタビューをお届けしました。

限られた時間のなかで自分とコミュニティのことを考え、知識を提供し、ともに切磋琢磨していく。そんなハリガイさんの強さの秘密がわかった気がします。
「名人戦」「MASTERS2018 FINAL」で2冠を果たした“構築マスター”であるハリガイさんが世界の選手を相手にどんな活躍を見せてくれるのか、今から期待がふくらみますね。

新ブースターパック「Opus VII」発売までいよいよ1週間と少しです。
「Opus VI」環境最後の記事となる来週では「MASTERS2018 THE AFTER」で優勝したしどさんのインタビューをお送りする予定です。こちらも楽しみにお待ちください!

それではまた、次回の記事でお会いしましょう!

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